専門コラム 主体的に考えず行動しない若手社員を量産していませんか
「うちの若手社員は素直でまっすぐと言えば聞こえは良いのですが、自分で考えることをせずに、常に先輩社員や上司に相談するんですよ。
相談できない若手が会社をすぐに辞めてしまうという企業さんからすれば、羨ましいと言われるかもしれませんがなんでも相談するってどうなんでしょうね。
これで良いですか?どうしたら良いですか?っていつまでも新入社員ではないのだから、主体的に積極的に考えて行動してもらいたいのですが・・・
管理職連中も、厳しく伝えればハラスメントだと言われかねないと恐れている様子で、割と丁寧に親切につきあっているんですよね。
これでは生産性が上がるとは思えず、ジレンマを感じているところなんです。」
最近は、このようなご相談も増えてきました。
当社では、管理職による「対話による心のマネジメント」をお勧めしているので、若手社員が相談できる環境や人間関係が構築されていることは大変良い兆候であるとうかがっていました。
ですが、生産性向上を目指すアクティブメンタル組織づくりが上手く行っているわけではないとも感じていました。
それは、上司や先輩社員が若手の相談相手となることで本来やるべき仕事を出来ていないことや、若手社員が常に人に頼ることで自分の頭で考えないというカルチャーが根付いていると思ったからです。
指示待ち
受け身
手がかかる・・・・ということですね。
カウンセリングでは、入社して3年未満の若い社員の方の相談を受けることもありますが、彼らは、失敗することが怖いと感じているようです。
経験が浅く自信がないのは仕方ないにしても、今から完璧であろうとする姿勢が強いのではないかという印象を持っています。
もちろん人によるのですが、1回でも失敗すると、「あいつは出来ないヤツ」というレッテルを張られることを恐れているように感じます。
そして、一度、失敗すると2度と信頼してもらえない、任せてもらえないとまるで怯えているのです。
このような場合、たとえ社内に「相談する・相談できる」という雰囲気があったとしても、若手が今後、会社が望むように成長していくとは限りません。
「相談できる」という良い雰囲気を残したまま、若手社員が主体的に行動できるよう育成するためには、どうすれば良いのでしょうか。
こんな時最も重要なのは、相談された側、つまり上司や先輩社員の関わり方なのですね。
失敗を恐れるあまり、自分で考えることをしないことが習慣になっている若い社員に対して、関わる時は、質問されたらそれには答えずに、質問で返すということが重要なのです。
「どうしたらよいでしょうか」と聞かれたら答えずに、「あなたはどう思いますか?どう考えているのか聞かせて。」
「わからないのだったら、一緒に考えよう。そのためにも、まずは君の考えを教えて欲しい。」
こんな感じです。
ですが、これを信頼関係がない間柄で行ってしまうと若手社員が孤立し、誰にも相談できずに、ある日、突然、退職したいと言ってきたりします。
もし、貴社に、若手が気軽に相談できるカルチャーがないのであれば、すぐに「相談できる」仕組みを導入することをお勧めします。
まずは管理職を教育し、次に社員を巻き込みながら、「相談する」ことを肯定、推進するよう社内に徹底してください。それが仕組みとして導入するということです。
すでに若手社員との間に信頼関係が出来、相談できる雰囲気があり、もっと若手社員に主体的に考え行動して欲しいという段階であれば、相談された側の関わり方を今一度見直し、
アップデートされることを強くお勧めします。
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今日の提言
失敗するのが怖くて「相談できない」現状を理解する