専門コラム 社員がイキイキ働く組織に存在する「魔法の質問」とその答え
第143話: 社員がイキイキ働く組織に存在する「魔法の質問」とその答え
イキイキ働く社員が育つ人材育成、働きがいのある職場環境や活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社には、自ら人材育成や組織風土改革に熱心な企業の社長や経営陣から様々な相談をお受けしております。
様々なお悩みの中で最近よく伺うのは、「会社に覇気がない」、「ハラスメントのような言動が起きている」、「社員間の連携がとられていない」などの組織全体のお悩みです。といって、業績が悪いわけではありません。どちらかというと忙しく、やるべきことがたくさんあるのですが、必要かつ適正なコミュニケーションがとられていないというのが問題なのです。
このような組織は、業績という結果だけで見ると、本質的な問題を見誤ってしまいます。会社は業績があがり、社員も報酬が上がっているのであれば良いだろうと考え、経営陣が、組織に根付きつつある問題を見逃してしまうと、後に大きなしっぺ返しを受けることになるのです。
弊社のコンサルティングでは、導入時に、幹部社員を含め、ある一定数の社員の方々への聞き取りを行います。経営陣が目にしている「現状」と現場で社員が感じている「事実」とは異なることも多くあります。
不平・不満の中には解決策のヒントがある
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聞き取りも決まった内容を決まった通りに聞くだけではありません。代表の高橋は心理カウンセラーでもあり傾聴のプロです。やり取りの中で、社員ひとり一人の様々な本音が語られ、あらためて組織の現状について理解を深めることが出来るのです。
本音も様々ですが、多くは会社や上層部に対する不平や不満です。ですが、そのような方には、思う存分、普段から思っていること、感じていることを吐き出してもらいます。溜め込んでしまうことで、いずれはメンタルダウンなどにもつながる可能性もあるからです。
また、不平や不満のようなネガティブな情報の中には、貴重な解決策のヒントも混ざっていることがあります。おそらく、これらの解決策についても日々考え、感じているのでしょうが、それを伝える、相談できる相手がいないのです。あるいは一度、相談したものの、何も変わらなかった経験から、ある意味あきらめているのです。
社員の表情がパッと明るくなる質問とは
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このような聞き取りを含め、コンサルティングでは、多くの社員の方々と意見交換や情報交換を行うプロセスがあります。その中で、社員の表情が真剣になり、時間がたつにつれて、明るく溌剌としてくる「魔法の質問」を投げかけています。
その魔法の質問とは、
なぜ、この会社を選んだのですか?
なぜ、この仕事についているのですか?
仕事を通じて、顧客に社会にどのように貢献したいと思っていますか?
なのです。
まさに初心に返るきっかけともなる質問です。特に、最後の「貢献」に関しては、自らが自身の仕事の意義を考え、イキイキと語ってくれるほどです。忙しさの中に忘れていたものの、仕事に対する誇りや意義を感じているからこそ、これまで頑張り続けてこられたのでしょう。
同席していた経営陣も、社員の熱心なディスカッションに驚きつつも、真剣に耳を傾けます。これまで聞いたことのなかった、社員の前向きな言動に感動される方さえいます。
以前のコラムにも書きましたが、自社の課題解決のヒントは、現場の社員の話に真摯に耳を傾けることから得られることがあります。それを全くせずに、外部研修だけを導入したところで、根本的な解決にはなりません。
ギスギスしてしまった組織で、適切なコミュニケーションを開始するのは、難しくもあります。ですが、一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションを取ることが第一歩なのです。
御社でもぜひ、まず社長自身が以下の質問に答えてみてください。
なぜ、うちの会社を選んだのですか?
なぜ、この仕事をしているのですか?
この仕事を通じてどう貢献したいと思っていますか?
ぜひ社員にも問いかけてみて欲しいのです。
開催予定のセミナーがあります。
2020年3月18日(金)
社員のやる気と自発性を引き出す 「人材育成」と「組織風土づくり」の課題解決セミナー。詳細はこちら。
今週の提言
「貢献」は社員の笑顔とヤル気を引き出すキーワード
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