専門コラム やる気ある社員が育つ会社が行う 自己成長の場づくり
第139話: やる気ある社員が育つ会社が行う 自己成長の場づくり
イキイキ働く社員が育つ人材育成、働きがいのある職場環境や活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社には、自ら人材育成や組織風土改革に熱心な企業の社長や経営陣から様々な相談をお受けしております。
A社では、経営陣が積極的に部内のメンバーとコミュニケーションをとっていると話されます。最近、部下との「対話」の重要性が言われていますが、かなり前から定期的に実践されているとのこと。そこで、実際にどんな話をされているのかを聞いてみました。
すると、特には決めておらず、メンバーが、その場で話したいことを話しているとのこと。話題は決めずに、ざっくばらんに気軽に話すことに意味があると満足気に言われます。
コミュニケーションを取ることで、「交流を図る」というのがゴールであれば問題ありませんが、部下のやる気を引き出す、部下の成長を促すことが目的であれば、これではほとんど効果が期待できません。
まず、部下の立場として、そもそも経営陣と「気軽に」話せる場はあるはずがありません。あるとしたら、それは馴れ合いになっているということです。馴れ合いの関係で、話題を事前に決めていない場合は、世間話になってしまうこともあり得るのです。
世間話という表現は適切ではないかもしれませんが、結局のところ、話が出来て良かった、楽しかっただけで、終わってしまうということです。
一方で、本音で語り合うことが出来ない場になることもあります。楽しいだけの話題提供では、部下が普段から感じていることや疑問に思っていることを口にすることすら出来ず、信頼関係を育むことが難しくなります。せっかくの機会を十分に活かしておらず、双方の距離は縮まらないばかりか、理解も深まりません。
経営陣だけが自己満足に陥っているA社が、社員ひとりひとりの能力を発揮するために関わっていけばよいのでしょうか。
改善にあたり、重要な視点を1つご紹介します。
まず、部下とのコミュニケーションを「交流の場」から、「自己成長の場」と考えを改めてください。経営側とすれば、部下が自らを成長させる場に上司として参加しているという感じになります。
ざっくばらんな会話から入るのも良いですが、ぜひ部下が話したいテーマについてじっくり話を聴いてください。質問しながら、理解を深めてください。そして問題意識を共有した後に、最後に「具体的な行動」について部下に決めてもらいます。
以前、弊社のコンサルティングをお受けになったある企業では、毎回、1on1ミーティング実践記録をとっています。話しっぱなしにするのではなく、記録を取ることで、次回のミーティングに活かしているのです。
「交流」しているつもりが、実際には信頼関係を構築しているわけではないこととは対象に、傾聴から始まり、行動目標を決める場であるミーティングを通じて、相手をよく理解することになり、結果的に信頼関係が育まれるのです。
さて、御社ではコミュニケーションの場を「交流の場」だけではなく、「自己成長の場」として活用していますか。せっかく風通しがよいという社風があるのであれば、上司も部下も、そしてチームとしても成長できる場として次のステージを目指しませんか。
1on1ミーティングを含む、社内コミュニケーション活性化については、自社セミナーで詳細をお伝えしています。
開催予定のセミナーがあります。
2020年3月13日(金)
社員のやる気と自発性を引き出す 「人材育成」と「組織風土づくり」の課題解決セミナ ー。詳細はこちら。
今週の提言
交流の場ではなく、自己成長の場へ変換する改革を
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