専門コラム 他者を巻き込み、チームの成功を導くプロセスを正しく評価する
第140話:他者を巻き込み、チームの成功を導くプロセスを正しく評価する
イキイキ働く社員が育つ人材育成、働きがいのある職場環境や活気ある組織風
土づくりを専門に行っている当社には、自ら人材育成や組織風土改革に熱心な
企業の社長や経営陣から様々な相談をお受けしております。
前回は、社員とのコミュニケーションが「交流の場」で留まってしまっている残念な企業についてお伝えしました。
今回、正反対とも言えるB社をご紹介します。B社では、業務の多くが個人の裁量に任されています。ですが、正式な上司面談が、年に一度の評価面談しかありません。この面談では結果のみを評価されることになり、プロセスはほとんど評価の対象にはなりません。
そのため、プロセスの段階で頑張った社員は、まだ結果に到達していないという理由により、高い評価を受けられないという現状が続いています。
面談も一方的な上司からの評価が中心で、普段から、双方により良い結果を出すための十分なコミュニケーションがなく、職場はギスギスし始めています。
もちろん、結果を出せばそれは評価されるのですが、「何が評価に値するのか」という点に関しても双方の考えに隔たりがあり、評価面談後の社員のモチベーションは著しく低下してしまっているのです。
これまで会社に貢献してきたにも関わらず、すでに数名が会社を辞めようと考え始めているという悩ましい現実が耳に入ってきています。
いったん、モチベーションが下がってしまった人のやる気を引き出すのは大変です。B社のように、会社や上司に対する不信感を持ってしまった場合はなおさらです。ですが、解決策もあります。
その1つをご紹介します。
それは、結果だけではなく、プロセスにあたる行動や努力を認め、褒めることです。認めるというのは、すなわち報酬を当てるという外的なものだけではありません。普段からの「承認」「称賛」「感謝」などの声かけをするということです。
このような関わりは何も上司と部下に限ったことではありません。同僚間でも互いにポジティブな関与をすることは可能です。
自分一人が頑張って結果を出すのではなく、部下や仲間を助け、力を引き出し、協力するなどポジティブな関わりをすることで仲間と一緒に結果を出す。そのような行動をしている人、出来る人を評価するということです。
と同時に、会社が目指す未来や方向性をきちんと指し示すことで、社員が目指すべき道筋との方向合わせをすること。それは、頑張る方向性のベクトル合わせをしておくことで、的外れな努力を排除することにもつながるからです。
御社では、社員の頑張るプロセスをどう評価していますか。仲間の力を引き出し、関わることで、チームとして一人では成し遂げることが出来ない、より多くの成果を出すことを評価していますか。
開催予定のセミナーがあります。
2020年3月13日(金)
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今週の提言
スターではなく、スターを生み出す人をも評価する
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