専門コラム 指示待ちの若手社員を「自走型人材」に育てる3つのステップ

若手社員が「相談ばかりで主体性が育たない」そんな悩みはありませんか?
「最近の若手は、すぐ相談してきて自分で考えない」
「何でも聞いてきて、結局こちらの判断待ちになってしまう」
「だからといって、無下にするとパワハラだと言われかねないから難しい」
こんな声が、中小企業の経営者や管理職から増えています。
一方で、「上司や先輩に相談できる」という安心感のある職場環境はとても貴重です。
実際、若手が上司や先輩に気軽に声をかけられない会社は、ちょっとした不安や違和感を抱えたまま、いきなり離職するというリスクもあるほどです。
しかし、いつまでも「指示待ち」では、組織としての生産性やスピード感には限界があると悩んでいるのではないでしょうか。
なぜ今「主体性」が育ちにくいのか?
現場の若手社員に話を聞いてみると、「間違えたらどうしよう」「自分の考えが正しいか不安」という心理が強く働いていることがわかります。
背景には、「一度のミスが致命傷になる」という過剰な完璧主義や、他人からの評価を気にしすぎる文化もあるでしょう。
つまり、多くの若手は「考えたくない」のではなく「考えて間違えるのが怖い」のです。
解決のカギは「関わり方の再設計」
ここで大切なのは、若手を変えようとするのではなく、相談された側の上司や先輩の関わり方を見直すことです。
よくあるのが、「相談=すぐアドバイス」という関わり方をしてしまうことです。これでは、若手の思考停止を助長しかねません。
そこでおすすめしたいのが、次の3ステップです。
自走型人材を育てる3ステップモデル
Step1:安心感の土台をつくる
まずは、「相談できる・してもいい」という空気をチーム内に作ることがスタートです。
相談できない職場に、主体性は根付きません。
例えば、「どうしたの?」と話しかける声かけを習慣にする
「相談してくれて助かるよ」とフィードバックを必ず伝える
Step2:質問で返して相手の「思考のスイッチ」を入れる
すぐに答えを出すのではなく、「あなたはどう思う?」「今どこで迷ってる?」など、質問することで、相手を「考えるモード」にさせるという関わりが重要なのです。
そのためには、上司や先輩側が、相手の思考を促す質問を上手に使えるようにすることが第一歩です。ロールプレイ研修なども効果的でしょう。
若手が「正解ではなく、一緒に考える、自分で考える」という経験を重ねる機会をつくり続けることが重要です。
Step3:小さな意思決定の成功体験を積ませる
小さな判断で構わないので、自分で決める経験を積ませることです。
たとえば、ちょっとした仕事の優先順位を任せてみることはどうでしょうか。任せてみてやらせた後に、フィードバックをするという繰り返しが若手の自信につながります。
この際のフィードバックはネガティブなものではなく、出来ていることを認める、ほめることから始めることがキモとなります。
中小企業だからこそ、「育成が文化になる」仕組みを
中小企業ではひとりひとりの行動が業績やチームの空気に直結します。
だからこそ、「育成は人任せではなく、社内で仕組み化する」ことが肝心です。
月1の1on1ミーティングを実施し、効果的な質問とフィードバックを繰り返す中で、若手の「考える」「提案する」そして「行動する」という習慣を身につける機会を提供するのです。
日常の中で自然に「自走型マインド」が育つ工夫を、ぜひ取り入れてみてください。
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https://note.com/active_mental
今日の提言
若手社員の心理を理解し関わる

