専門コラム 中小企業が生き残るための次世代リーダー育成術

社会や働き方が大きく変化する中で、経営者にはこれまで以上にスピード感のある意思決定と柔軟な対応力が求められています。
市場の変化、人材の流動化、価値観の多様化…。どれも待ったなしの課題ばかり。
特に2025年は中小企業の後継者不足や、人材不足が深刻になる年です。
そうした荒波の中で生き残るためには、経営者自身が未来を見据え、変化に強い組織を築く必要があります。
今、改めて問われているのは「誰とこの時代を乗り越えるか」です。
経営者が一人で舵を取り続けるのではなく、共に未来をつくる、まさに将来の右腕となる「次世代リーダー」の存在が重要になってきているのです。
古い価値観にとどまる組織が生き残れない理由
時代の流れに気づかず、過去の成功体験にしがみついたままでは、企業の成長はもちろん、
存続すら危うくなります。
特に中小企業にとっては、トップの判断とスピード感がそのまま組織全体の方向性を決定づけます。
ですが、現場に目を向けると、「新しい取り組みに消極的な幹部」「前例主義で動けない管理職」ばかりという声も少なくありません。
変化が必要な今こそ、従来の枠を超えた行動力と影響力をもつ「新しいタイプのリーダー」を育てることが、企業の未来を左右することになるでしょう。
今こそ求められる「行動するリーダー」とは
いま注目されているのは、現場の変化にいち早く気づき、組織の先頭に立って行動できる人材です。
・自ら考え、判断し、行動できる
・社内外に影響を与える発信力がある
・過去のやり方に縛られず、柔軟に変化を取り入れる
・チームを巻き込み、成果を出す力がある
こうした人物が、まさに次世代リーダーです。そしてこのような人材は「自然に育つ」のではなく、意図的に育てる仕組みが必要です。
経営者が経営に集中するために必要なこと
経営者は本来、会社の方向性を決めることや、新しい事業の判断など、未来に集中すべき存在です。
しかし、次世代リーダーが育っていないと、「社長がいないと何も決まらない」「社長がいないと何も進まない」状態に陥ってしまいます。
これは組織としての「危機」です。意思決定が遅れれば、変化に乗り遅れ、競合に後れを取る。そして結果的に、組織はジリ貧になっていきます。
「仕組み」なしに人は育たない
次世代リーダーを育てるには、「頑張れ」「期待している」といった精神論では限界があります。
大切なのは、「優秀な人材が辞めずに育ち、活躍できる環境と仕組み」を整えることです。
たとえば、
・若手や中堅社員に挑戦の機会を与える制度
・定期的な1on1でフィードバックを重視する仕組み
・キャリアビジョンの共有やメンタルサポート体制の整備
など、社員が安心してリーダーシップを発揮できる「場」を用意
など様々な「機会」を提供すること重要となってきます。
会社の未来をつくるのは、今の決断
今、次世代リーダーの育成に取り組めば、将来の経営の土台が整います。
逆に、今を見過ごせば、近い将来に「人が育たない」「任せられる人がいない」「社員が辞める」という問題が必ず表面化します。
会社の方向性を理解し、周囲に影響力を持って行動できる人材を、今から育てること。それが、変化の時代を生き抜く最大の鍵なのです。
任せられる人材を見つけよう
まずは、社内の中堅社員に「最近どう?」と声をかけ、今の業務のやりがいや悩みをじっくり聞く時間を30分つくることから始めてみてください。
一人ひとりの思いや強みを知ることで、「任せられる人材」がどこにいるのかが見えてきます。
次世代リーダーは、育てようと決めたその日から、少しずつ育ちはじめるのです。
こちらの電子書籍では、人材育成と仕組みづくりのノウハウを心理学の知見から解説しています。
今日の提言
優秀な人材が辞めずに育ち、活躍できる環境と仕組みがあるか

