専門コラム 社長は成長意欲の高い部下とどう向き合うべきか。3つのポイント

近年の若手社員の中には、仕事を通じて成長したいという強い意欲を持っている人が増えています。
彼らは「どんな会社で働くか」よりも「どれだけ自分が成長できるか」に価値を置く傾向があります。そのため、「やりたい仕事」「憧れる仕事」に目が行きがちです。
しかし、企業経営の視点からすれば、目の前の仕事にしっかり向き合い、能力を発揮してほしいものです。
では、成長意欲の高い部下に対して、社長としてどのように関わればよいのでしょうか?
今回は、優秀な部下がさらに成長できるようにするための1on1のポイントをお伝えします。
選択肢を与え、自ら選ばせる
成長意欲の高い部下は、主体的に取り組める環境を求めています。そのためには、業務を単に指示するのではなく、「選択肢を与える」ことが効果的です。
例えば、新しい業務を任せる際に、次のような選択肢を提示してみてください。
A:「まずは自分で考えてまとめてから、上司やチームに発表し、意見を募る」
B:「最初にチーム内でディスカッションする機会をつくり、その後、進め方をまとめる」
どちらの方法を選ぶかは部下に決めてもらいます。
このように「選択の自由」を与えることで、「会社からやらされている」という意識が薄れ、主体的に取り組みやすくなります。これは「オプション効果」とも呼ばれ、自分で選んだことに責任と意欲を持ちやすくなる心理的効果です。
もちろん、社長として彼らの選択が成功するようフォローやサポートをすることも重要です。
キャリアについて対話する
成長意欲の高い部下は、今後のキャリアについて強い関心を持っています。しかし、中には「このままでいいのか?」と不安や疑問を抱えている人も少なくありません。
そのような時こそ、1on1でキャリアについて話し合う機会を設けましょう。
例えば、こんな考えを持つ若手社員がいます。
「自分の専門が活かされないなら、やっている意味がない」 「やりたい仕事につけないなら、若いうちに転職したほうがいい」
このように視野が狭くなりがちな若手社員には、長期的なキャリア視点を持つことの重要性を伝えましょう。
・今の仕事を通じて、どんなスキルや知識が得られるか
・仕事の中でどんな人脈が築けるか
・現在の経験が将来のキャリアにどう活かされるか
これらを一緒に考えることで、「辞めるか辞めないか」の二択ではなく、もっと幅広い視野でキャリアを捉えられるようになります。
現在の仕事の「意義」を話し合う
短絡的に「やりたい仕事」にこだわる若手社員には、「今の仕事の意義」を理解してもらうことが重要です。
1on1では、以下のような問いかけをしてみてください。
・この仕事は誰の役に立っていると思うか?
・どんな人の悩みを解決できるか? ・社会にどんな貢献ができているか?
こうした対話を重ねることで、目の前の仕事の価値に気づき、「今の仕事も成長につながる」と実感してもらうことができます。
まとめ
成長意欲の高い部下を活かすには、次の3つのポイントを押さえましょう。
・選択肢を与えて、主体的に業務に取り組ませる
・1on1でキャリアについて対話する
・現在の仕事の「意義」について話し合う
こうしたアプローチを取ることで、部下の成長意欲を引き出し、会社の成長にもつなげることができます。
ぜひ、次の1on1から試してみてください!