専門コラム 社員が辞めない職場の作り方。中小企業の離職問題を解決する方法

当社は、社員がいきいきと働き、やりがいを感じられる職場環境や活気ある組織風土の構築を専門に支援しています。そのため、すでに人材育成に熱心な企業の経営者からも、多くのご相談をいただいています。
最近では、若い社員が仕事への情熱を感じられず、短いキャリアで辞めていかれることが多いとのこと。
辞める理由の中には、この仕事を続けて自分が満足できると思えなくなった
仕事に対する前向きな情熱を失ってしまった
という回答も多いのだとか。
「自分は何のために働いているのか」「誰を、どのように幸せにしているのか」を深く考える機会もなく辞めていく社員に対して、引き留める言葉をかけても響かないのがむなしいとのことでした。
多くの企業がホームページに企業理念やミッションを掲げていますが、実際に社員一人ひとりがそれを自分ごととして理解しているでしょうか?
「あなたの仕事は誰に、どのように貢献していますか?」と問われたとき、即答できる人は少ないかもしれません。
営業職なら「お客様」が明確ですが、研究開発や人事といった職種では、誰が「顧客」かが曖昧になりがちです。日々の業務に追われ、深く考える機会が持てないのが現実でしょう。
与えられた言葉ではなく「自分の言葉」で語る
当社ではコンサルティングの一環で「自分は何のために仕事をしているのか。」「誰を、どのような方法で幸せにしている仕事なのか。」を徹底的に考えもらうための導入ワークショップを実施しています。
このワークショップでは、参加者たちが自らの部署や仕事のミッションを真剣にディスカッションし、生き生きと語り合う光景が繰り広げられるのです。
誰を、どのように幸せにするのかを自分の言葉で表現することで、リアリティと納得感が生まれます。
自分の強みと課題をメンバーと共有する
さらに、業務上の「強み」と「課題」を棚卸しするグループワークでは、「普段は話さないことを共有できた」「苦手な部分を正直に伝え、建設的なフィードバックをもらえた」といった感想が聞かれます。
こうした一見、ネガティブな情報も含む対話は、職場の信頼関係を深める良い機会にもなるのです。
経営者が自らのミッションを熱く語ることも、社員に強いインパクトを与えます。
たとえ経営の視点がすべて理解されなくても、リーダーとしての価値観や想いはしっかりと伝わるでしょう。
自社のミッションを実践に落とし込むためには、社員一人ひとりが「自分は何のために働いているのか」を深く理解することが不可欠です。短時間でも定期的にワークショップを行い、組織の「足元固め」を続けることが、強固なチーム力を育てます。
逆境にも負けない組織づくりは、こうした日々の積み重ねから生まれるのです。