専門コラム やる気のない部下、変わらない部下に対してどう関わるべきか
先日、あるセミナーで経営者の方が話していて印象に残ったのが、「何度、伝えても変わらない部下への対応に疲弊している」ということ。
・仕事への向き合い方
・人間関係の作り方
・仕事で成果を出す方法
など、経営者として部下に様々なアドバイスを提供してきたものの、部下の言動には変化が見られず、全くやる気がないように見えるとのことでした。
部下に対しては、不満やイライラが募ってしまい、「変わらない部下は諦めるべきなのか」と悩んでいるとのことでした。
「指導しても全く言動が変わらない相手」に対して不平や不満を感じるのは、経営者ではなくとも、このような部下を持った上司にあたる方、多くの方が感じる感情ではないでしょうか。
変わらない部下に対して、どう対処したらよいのでしょうか。または、指導する立場として、どんなマインドで接するのが良いのでしょうか。
まずは「相手は変わらない」、「変わるとしても時間がかかる」ことを前提として関わることをお勧めします。
人間はなかなか変われないのです。
変わらなければ著しく不利益を被る場合など変わる必要があれば、時間をかけて変わる場合もあるでしょう。
人間関係が悪化し改善不能になる前に、部下に対して「評価が低い理由」や「変わって欲しい理由や根拠」、「どう変わって欲しいのかという具体的な目標」を丁寧に伝えることは重要です。
ただ、それでも相手に変化が見られなかった場合は、「相手は変えられない。変えられるのは自分と未来だけである」と割り切って対処すると決断をすることも必要ではないでしょうか。
例えば、成績優秀ではあるものの、業務に関する報告や情報共有をしない部下がいたとしましょう。
何度言っても変わらない・・と嘆いて待っていても、状況は変わらないでしょう。
ならば、自分の言動を変えるのです。
待っているのではなく、自分から情報を聞きに行くのです。あるいは報告が必ずあがるよう、定期的なミーティングを設定するなど、自分がストレスをできるだけ感じることなく、部下から情報提供をしてもらう機会をつくるということです。
上司の方から歩み寄らなければならないのか・・・と思われた方もいるかもしれませんね。
そんな時は、変わらない相手、不満を感じる相手に意識を向けるのではなく、「この部下にどう活躍してもらうのか。どう組織に貢献してもらうべきなのか。」という経営側の一段高い視点で考えてみてはどうでしょう。
多少、気持ちが変わるかもしれません。
一方で、部下にも、変われない事情や特性がある場合もあります。多様性が求められる今、相手が「社長や上司がやり方を一方的に押し付けてくる」と被害者意識を感じている場合もあります。
部下育成に関しては、マネジメントの知識やスキルだけではなく、マネジメント側のマインドセットや、部下側の状態や心理を推し量る技量も求められている時代です。
一人で抱えず、専門家に相談することで解決の糸口がみつかる場合もあります。
お悩み解決のために、心理カウンセラー兼組織風土づくりのコンサルタントとしてお話をうかがいます。
詳細はこちら。
今日の提言
「変わらない部下」への不平不満を募らせるのではなく
「自分の言動、関わり方を変える」選択をする