専門コラム やる気があがらない社員に対して社長が伝えるべきことは何か
先日、「どうも社員のやる気があがらない。うちの業種は、一人ひとりがやる気を持ち、スキルや知識を得る努力をすることで、お客様獲得や売り上げアップに直接つながるのだけど、なぜ、頑張ろうとしないのか解せない。」という社長の嘆きを聞く機会がありました。
社員というのは、若手に限らないそうで、30-40代の社員もいれば、社長より年上の社員もいるそうなのです。
よく話を聞いていくと、「社長は社長。自分たちとは違う立場。」と妙に割り切っているとのこと。
コミュニケーションのズレ
社員の方は、「お給料をもらえれば、より上を目指そうという気持ちは特にない。」と感じている方もおり、新規顧客の獲得や売り上げ拡大の話も、なんだか他人事で全く響いていないというのです。
そのため、コミュニケーションにもズレが生じているのです。
社長は「自分の想いが伝わらない」とイライラし、社員も「社長が空回りしているのでは?自分たちに何を望んでいるのか、いまいちわからない。」とモヤモヤが続いている状況なのです。
社長と社員、立場が違えば、視座が異なるのは当然。
の違いを浮き彫りにしてしまうだけなのです。
ですが、そのズレや視座の違いをそのまま放置していると、両者の関係はますます悪化し、しまいには分かり合えない関係となることでしょう。
その居心地の悪さに職場を去っていく社員もいるに違いありません。
ミッション:使命を語ろう
そんな時は、ぜひ自社の「ミッション:使命」を社長自ら語ってください。
ミッションを語るとは、
なぜこの事業をしているのか
この会社で何を成し遂げたいのか
社会にお客様にどう役に立ちたいのか
などを伝えるということです。
やる気が持てないのは、社員が自分の仕事が社会にお客様に役に立っているという実感がわかないからかもしれません。
この事業で何を目指しているのかを見失っているからかもしれません。
だからこそ、ミッションを語る必要があるのです。
ストーリーを語ろう
このような話は、これまでもネットや書籍、あるいはセミナーなどでも語られていることなので、「わかるわかる」という方もいると思います。
ただ、ミッションの伝え方には工夫が必要だということをご存知でしょうか。
「うちの会社は・・・」
「この事業では・・・」
と語り出してしまうと、結局のところ、社長と社員の視座が異なる状況では、ますます立場の違いを浮き彫りにしてしまうだけなのです。
なので、ミッションはストーリーで語ることが重要なのです。
ストーリーで語るとは、話すときの主語を「会社は・・・」ではなく、「自分は・・」
で話すということです。
社長自身が、この事業に対して考えている思いや、この会社を通じて何を実現させたいのか、そのきっかけになった自分自身の過去や考えを熱く話すのです。
ストーリーで語られたミッションは、社員も受け取りやすいものです。そして心も動きます。
そして会社のミッションを「社員一人ひとりのストーリー」として腹落ちさせることが出来れば、社員の心に響き、やる気に火をつけることもできるしょう。
今日の提言
社員との「意識のズレ」を感じた時こそ会社のミッションをストーリーで話そう