専門コラム なぜ、若手社員が辞めるのか。「原因探し」が必要な会社とその理由
先日のご相談は、「若手社員が、3年経たずに辞めていってしまう。どうしたらよいか。」というご相談でした。
社長から、対策を打つようにと指示を受けた人事の責任者の方からのご相談です。
その方は、「せっかく採用した新人も、会社に馴染むことが出来ずに辞めていくのです。これは大きなダメージなんですよ。
採用にはコストがかかっており、それを回収できないうちに辞められるのですから、人事としては大きな痛手なんです。」
「ところが、新人が辞めていく部署の管理職に限って、今の若い奴は根性が足りない。仕事を何だと思っているんだ。と言うばかりで、若手社員が辞めていく原因が全て本人にあると思っている・・・
だから同じことを繰り返すことも多く、若手の離職が減らないのです。これは最近の我が社の大きな課題なんです。
でも自分としては、辞めていく若手社員が悪いという考えでは、何も変わらないと思っているのですよね。
といって、どうしたらよいのか具体策も思いつかないのですが。」と話されました。
今回は、このような若手社員の離職に悩む中小企業がまず、何をすればよいかについてお伝えしていきます。
若手社員が離職していく。
これは、会社の将来の担い手が不足してしまうのですから、大問題です。
せっかく採用して、会社にとって必要不可欠な人材に育てたいと思っていたのにも関わらず、離職が止まらないのは、果たして、若手社員の問題なのでしょうか。
若手社員に見限られてしまったのではないでしょうか。
この原因探しがとても重要なのです。原因探しと言っても、「犯人探し」ではありません。
なぜ、最近、若手の離職が続いているのかと徹底的に考え、職場にヒアリングする、管理職を集めて話し合うなどの議論と検討が必要なのですね。
それをせずに、「今どきの若手というものは・・・」と管理職だけではなく、社長も同じような考えだとしたら、その会社に「明るい未来」はないと言って良いでしょう。
冒頭に相談された企業の場合、原因が、管理職、つまり若手社員の直属の上司にあたる社員とのコミュニケーションに問題があるようだとわかってきたのです。
これは大変重要な気づきだと思います。
実はこの企業は、いわゆる職人さん気質の中高年の方が多く、職場では普段のコミュニケーションは少なめです。
「言わなくても見ていればわかる」、「質問ばかりしていないで、自分で考えろ」と良く言えば放任主義なのです。
が、これでは若手は混乱してしまいます。
「自分は何を求められているのかわからない」、「自分で考えろというので、考えた通りにやったら、それは違う!と怒られた。」
「ほったらかしにされているという感じで、自分たちは会社から期待されていないと感じた。」と感じ、真剣に悩み、そしてとうとう、辞めるしかないと思い詰めて辞めていくのです。
この世代によるギャップ、経験からくるギャップ、そして時代の変化と共に変わっている仕事に対する価値観のギャップに気づいて、それを少しでも少なくしていくという関わり方が必要なのです。
この時点で、安易の「管理職向けのコミュニケーション研修」などを導入する企業もありますが、これもまた、順番を間違えると、問題解決になりません。
まずは、研修の前に、社内で管理職を集めて、「なぜ、若手社員が辞めていくのか」
「なぜ、若手の離職を防がないといけないのか」を十分に理解してもらうような社内の議論が必要なのです。
その上で、管理職が皆、問題意識と危機意識を持ち、研修に望むことが重要です。
当社では、若手離職に悩む中小企業の「原因探し」のお手伝いや、研修の実施など、様々な方法でサポートさせていただいています。
「研修をする」ことだけを前提に、研修会社に依頼する前に、ぜひ一度、当社にご相談ください。
今日の提言
若手の離職の原因は「管理職の指導方法に問題がある」と考えてみる