専門コラム リーダーが知らない「人を動かす」ためにすべきこと

毎年1回、母校の上智大学で学生に講義をする機会があります。これは、産学連携講座と言って、大学の卒業生が現役大学生に「グローバルにおけるリーダーシップとは何か」について、自身の経験や知見から80分に渡り講義するというものです。
ところで、「リーダーシップとは何か」と学生に質問してみると、「上に立つ立場の人が、人を動かして目標を達成すること」という答えが返ってくることが多くあります。
特に気になるのが「人を動かす」という言葉。リーダー自身が、的確な指示命令を出して
まわりに動いてもらうというニュアンスです。
あながち間違いではありませんが、人を動かすには、その人の心を動かす必要があります。
相手が納得していなければ、嫌々やらされたことになり、満足のいく結果を導くことが出来ないことがあるからです。
つまり、目標を達成できず、リーダーとしては失格になるということです。
では、どうやって「心を動かす」のか。
これはいわゆる、マインドコントロールではありません。
心理学の知恵を駆使して、相手を支配するという意味ではないことを先に断っておきます。
どちらかというと、マインドコントロールや支配とは真逆のことなのです。
まず、比較的簡単に出来ることは、目線を相手にあわせることです。
実際に目を合わせるという意味ではなく、相手の見える範囲や、納得できるレベルにこちらが合わせるということです。
できるだけ相手の立場になり、そこから物ごとを見て、感じてみるということです。
そして、相手の言葉に耳を傾けること。
そうやって、相手を理解しようとする姿勢をリーダーが積極的に示すことが重要なのです。
相手を理解しようとする姿勢が信頼関係を生み出し、「このリーダーについていこう」
「このリーダーのためなら、頑張ろう」と相手は心が動くのです。
これをせずに、立場上、「あれをしろ」「これはしてはいけない」という指示を出すだけでは、決して心は動きません。
もちろん、組織の中で、心が動かないから仕事をしないということにはなりませんが、
どうしても「やらされ感」や「理解してもらえない感」を抱いてしまいがちです。
そして、結局のところ、リーダーの目には「やる気のない奴ら」と映ってしまい、ますます関係性が悪くなるのです。
こう伝えると、よく勉強をされている経営者の方からは、「そんなこと、言われなくてもわかっているよ。」とも言われます。
ですが、それは頭で理解したことにすぎず、実際に「出来るのか」というと、それはまた別問題です。
当社では、管理職による「対話によるマネジメント」が必要であることをお伝えし続けていますが、目線を合わせて、相手の話に耳を傾けることはまさに「対話」から生まれます。
ですが、「対話」というコミュニケーションは、これまで組織の中で行われてきたものとは、大きく違うのです。
わかったつもりになり、チームメンバーとのコミュニケーションの機会を増やしただけでは、何も変わりません。
そして、わかったつもりのリーダーに限って「対話を増やしたけど、何も変わらなかった。
意味がない。」とばかりに、以前のような一方的な指示命令のコミュンケーションに
戻ってしまうのです。
そして、まわりの心はますます離れていき、組織として弱体化していくのです。
表面的な理解だけでは、本質は変わりません。
まわりの心を動かすリーダーを生み出し組織を本気で変えたいなら、
若手社員がすぐに辞めてしまうという現状を変えたいのなら、
今こそ、しっかり「人の心を掴み、動かす」真のリーダーシップを発揮するリーダーを組織内に育ててください。
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今日の提言
リーダーとして相手の「心を動かす」ための努力をしているか