専門コラム 今こそ知るべき 先が読めない時代の人材育成の方法
「やる気のある若手社員には、会社を見限ることなく、成長していってほしいと考えているんですよ。」
これはある企業の事業部長の方のご発言です。
「志が高く、物怖じしない20-30代の若手がポストコロナのキャリアがどうなるのか、不安に感じているようなのです。」と続きます。
「彼らを指導する立場の管理職は、できればこのまま企業に残って、定年まで無事に働きたいと感じているタイプが多く、世代による価値観の違いが今、大きくなっているのです。」と
話されます。
つまり、管理職が若手の「もっと仕事をしたい」「もっと成長したい」というニーズに応えることが出来ないというのです。
実は、同じようなことは、カウンセリングの場でも耳にすることが増えました。
40代で管理職を任されている女性の中には、「若手を上手に指導できない。彼らの方が自分より優秀で、体力も気力もあってついていけない。」と感じている人も増えてきているようなのです。
ポストコロナを見据え、若手をどう育成するのかは、経営トップを悩ましているようです。
現場の管理職すら、指導方法に迷っているのです。
このコラムでは、これからの時代の人材育成の在り方についてお伝えしていきます。
ところで、「VUCA(ブーカ)時代」という言葉を聞いたことはおありでしょうか。
Volatility:変動性
Uncertainty:不確実性
Complexity:複雑性
Ambiguity:曖昧性
の頭文字を取って作られた造語です。
変化が激しく、予測不能なことが起きやすいため、これまでの成功事例が通用しない時代、絶対的な答えがない時代のことをさします。
このような時代に求められるのは、柔軟性があり、変化への対応力が高い人材、自らアイディアを出し、行動できる人材です。
これは何も大企業だけに関係することではありません。
例えばこのコロナ渦では、多くの中小企業が何等かの新しい対応や変化に応じた臨機応変の対応を求められたはずです。
夜の営業を中心としていた飲食店がランチを提供したり、出前をするようになった
というのも変化への対応です。
求められる「変化」に対し、前向きに取り組める人材、あるいは、新しいアイディアを出せる人材が必要だったのではないでしょうか。
つまり、これからの時代、企業規模に関わらず、柔軟性があり、変化への対応力が高い人材、自らアイディアを出し、行動できる人材が求められるということです。
そのためには、指導方法も変える必要があります。
立場の上のものが、一方的に指導するというスタイルでは、このような人材は育たないでしょう。
まずは、互いに信頼関係をつくることが最も重要になります。
御社では、信頼関係を構築する指導を行っているでしょうか。
信頼関係づくりと言っても、仲良しの関係、ぬるま湯のような雰囲気では人は成長しません。
「対話」という双方向の指導法により、若手社員のやる気や能力を引き出す指導法があるのです。
対話をする時に最も重要なのは、相手の話を聴くということです。
ですが、この「聴く」ことが、職場では難しいのです。
というのは、指導する立場の人間が話をろくに聴くことなく、
「あ、その場合はね・・・」
「自分の時はこうだった」
などと、すぐにアドバイスしてしまうからです。
しっかり「聴く」ために、まず、相手の話を遮らないこと。
ここから始めてください。
当社では、部下指導のひとつとして1on1面談の導入を勧めています。
詳しい内容が知りたい方は、こちら。
研修も実施しています。
今日の提言
これからの時代、部下指導に求められるのは「アドバイス」ではない