専門コラム やる気ある若手社員を伸ばすためにすべきこと
先日、ある経営陣の方からお受けしたご相談は、
「リモートになり確実にコミュニケーションが減った。」ということでした。
このような話は何も、この企業だけではなく、よく耳にすることでもあるのですが、
「リモートにもすっかり慣れてしまって、だらけている。活発な意見交換もなく、
一部の社員は孤立しているが、どうすることもできないでいる。」とのこと。
さらに驚いたのは、「最近、入社してきた若手は、やる気がある。」というご発言でした。
詳しくお話を伺っていくと、そもそも、若い人はデジタルには慣れていて、リモートでも器用にこなしているとのこと。
彼らが心配しているのは、むしろ、ポストコロナのことで、働き方がどうなるのか、
自分たちのキャリアがどうなるのかと不満を募らせているというのです。
不安ではなく不満?と思って聞いてみると、「入社時から、自分はこの会社で○○をしたい。
○○で貢献したい!と強い意欲を持っているのです。
ですが、コロナ渦で会社の対応が不透明なことにイライラを募らせているんですよ。
彼らのやる気や熱意を損なうことなく、仕事に邁進できるような環境や、適切な指導を
行っていくべきだとわかってはいるのですが、いったい、どうしたらよいのか頭を抱えているのです。」
これまでコラムでは、やる気のない若者への指導については、散々取り上げてきましたが、
熱意のある若者に、経営陣含め年配者がどう対応すべきかわからなくなっているのですね。
でもこの会社の未来は明るいと思いました。まだまだやる気のある若手がいるからです。
こんな時、何も新しいことをする必要はありません。
実はこの会社では、1on1面談という、上司と部下との面談を定期的に行っていたのですね。
ですが、リモートになってその機会が減っており、そのままにしていたのです。
これは勿体ない。
1on1をリモートで復活すれば良いのです。
もちろん、対面とは違い、リモートならではの留意点はありますが、まずは再開することが重要でしょう。
やりがい、働きがいのある職場づくりを目指す時、よくありがちなのが、ゼロからいっきに100を目指してしまうことです。
やりがいを語る前に、まずは上司との「信頼関係」をきちんと作ることです。
困った時に相談したり質問したりできるカルチャーをリーダー自らが作ることなのです。
やる気ある若手社員が、自社に定着し成長してくれれば、今後の会社にとっては
「宝箱の中の宝石」のようなものです。
その宝石を潰すことなく、確実に成長し、能力を発揮してもらうために、会社がすべき取り組み、管理職がすべき関わりの1つは、今こそ信頼関係を作るということです。
今週の提言
リモートだからこそ、積極的に若手社員との信頼関係をつくる工夫をする