専門コラム 若手社員のやる気を削ぐリーダーになっていないか
「うちの会社の会議は、若手からほとんど意見が出ないんですよ。まったくやる気がないというのか困っています。
自分一人が一方的に話しているという感じで。どうやったら、若手社員が積極的に自発的に動いてくれるのでしょうか。」
普段から、人を育成することに力をいれている中小企業の経営陣の方のお悩みです。
特にリモートワークになってからは、リーダーだけが話をするというスタイルが定着して
しまい、会議でのディスカッションもほとんどないという話を伺うこともあります。
このコラムでは、会議を活性化して、どうやったら、若手社員から意見が出るように
なるのかをお伝えしていきます。
早速、自社でも試すことができるヒントをお伝えしていきますね。
「やる気がない」のではない、「やる気を削がれている」
ところで、
・会議が静かすぎる
・若手が発言しない
これは、会議の様子を描写した「事実」です。
ですが、
・部下がやる気がない
というのは、「事実」ではありません。
このような態度だから、やる気がないに違いないというこの方の「考え」です。
なので、このようなご相談があった場合、まずは若手社員の本音をリサーチしてみることをお勧めしています。
といっても、社長や取締役など立場が上の方がヒアリングしても、本音が語られるだけではないので、ヒアリングの仕方にも工夫は必要です。
ヒアリングの結果、出てくる本音が真逆であることが多いのです。
例えば、
・一方的な話を聞かされているだけで、話すタイミングがほとんどない・・・
・意見や感想を求められるので話をすると、だいたい否定されることになり、やる気を削がれることが多い
・何か自分の考えを言って、それが採用された場合、「言い出した人がやる」という風潮があるので、自分だけが損をする気持ちになり言い出せない・・・
という感じです。
やる気がないのではなく、やる気が削がれるこれが「事実」です。
若手社員の考えに耳を傾けているか
だとすれば、解決方法の1つは、若手社員の考えを訊くことです。
そして、相手の考えには、それがたとえ未熟なものであっても、否定から入るのではなく、評価もせずまずは耳を傾けるということです。
実は、このシンプルなことが出来ていないことが案外多いのです。
ついつい、「それは出来ない、難しい」と頭から否定してしまったり、「それならまずは自分でやってみることだな」と突き放してしまったりしていないでしょうか。
つまりは、若手社員の問題ではなく、リーダーの関わり方に問題があるということです。
といって、「リーダーに関わり方を変えるように」と伝えただけでは、全く何も変わりません。これは断言できます。
どう関わり方を変えるのかという理解と実際に関わり方をかえてみるという実践が
必要なのです。
当社では、1on1という上司と部下による1対1の対話の時間を取ることを強くお勧めしています。
これは、「部下が報連相をする」時間でもなければ、「上司が指示命令をする時間」でもありません。
対話により、「部下の成長を促していく時間」です。
必要なのは、リーダーのマインドセット
「部下の成長を促していく時間」って何?と思われた方もいると思います。
これまでの部下指導や育成方法とは異なる関わり方が求められるのですから、まずは、リーダー自身がマインドセットをしなければなりません。
部下を育成するためには、リーダーが一方的に指示を出す、任せるのではなく、話を聴くことから始めるというマインドセットです。
まず、自社の育成方法が
・リーダーからの一方通行のコミュニケーションになっていないか
・リーダーが部下の話をよく聴いているか
この2点から見直してみてください。