専門コラム 若手社員の突然退職を防ぐために会社がすべき3つのこと
第203話: 若手社員の突然退職を防ぐために会社がすべき3つのこと
5月の連休明けによくお受けするご相談があります。それは、若手社員の突然の退職です。
「入社2年目の若手社員が突然辞めると言ってきたんです。理由はメンタルダウンだというのですよ。主治医からの診断書も持ってきました。来月末で退職となりそうです。」
まだまだ現場では一人前とは言えなかったでしょうから、採用して教育して・・その諸々のコストを考えると赤字に違いありません。
若手社員の突然の退職は、「なぜ?どうして?」と上司だけではなく、採用担当者や中小企業の場合は経営トップまで頭を抱えてしまう大きな課題です。
若手が辞めずに活躍できる職場になるにはどうしたらよいのでしょうか。何をすべきなのか、その考え方や防止策についてお伝えいたします。
個人の問題ではなく組織の問題として捉えてみる
まず、大前提として、今回の退職は「個人の問題」なのでしょうか。特にメンタルダウンの場合は確かに個人的要因もありますが、それだけではないと考えることが重要なのです。
もともと、メンタルの弱い人を採用してしまった、これからは採用時に気を付けようというのは全くの勘違いの場合があります。
なぜ、メンタルダウンになったのか。そのきっかけや理由として考えられることは何か。どうして退職を申し出るまで上司をはじめ誰も気が付かなかったのか。
まずは、このような「組織の問題」として捉える必要があるのです。今後、同じことが起こらないよう関係者を集めて、しっかりと議論するべきでしょう。
2年目の危機への対応を行う
この時期は、新入社員への対応などで大忙しのはずです。上司としても、「もう2年目だから大丈夫」という安心感もあったのではないでしょうか。だからこそ、目が届かなかったのかもしれません。目に入っていたとしても、見過ごしていたのかもしれません。そもそも、上司との関係性が原因だったのかもしれません。
最近では、メンタル不調にならずとも、「この会社で働いていてもメンタル壊すことになりそうだから、早めに辞めよう」と考える若手もいます。だからこそ、2年目社員のじっくり話を聞くという機会をつくって欲しいのです。
身勝手な言い訳や発言があったとしても、まずは傾聴することが大切です。会社への不満や、仕事への不安などを言われたら、それはチャンスなのです。まだ会社に期待しているということだからです。
定期的なミーティングの機会をつくる
ただし、2年目の話を聞く機会も1回だけでは足りません。また、あまり一人の担当者に全てを任せる必要もありません。職場全体で育てるという意識が必要だからです。
お勧めなのは、緊急案件を扱わない1対1の面談を定期的に行うこと。相手は上司でなくても良く、先輩社員やメンター社員でも良いでしょう。また可能であれば、2年目社員だけを集めて、グループディスカッションをするなどはいかがでしょうか。同僚同士のつながりを継続しておくのです。
何か困ったことがあった場合に相談する相手が社内にいるといないのとでは大違いだからです。
このように、職場全体で、きめ細やかな取り組みをぜひ取り入れてみてください。といっても、中小企業の場合、「人が足りない、時間もない、ノウハウもない」となりがちです。
その場合は、まずは、上司との1対1の15-20分程度の面談を月1回実施することから始めましょう。そして、次第に、その面談を、誰もが同じように実施できる社内の仕組みとして導入することをお勧めします。
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