専門コラム 会社と部下をダメにする「問題管理職」を放置していないか
第115話: 会社と部下をダメにする「問題管理職」を放置していないか
イキイキ働く社員が育つ人材育成、働きがいのある職場環境や活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社には、社長自ら職場環境づくりに熱心な企業の社長さんからも様々な相談をお受けしております。
ある企業で、最近、特に頭を抱えているのが、問題管理職だと伺いました。その管理職は優秀なので、いわゆる数字など結果や成果は出しているのだそうですが、複数の部下がメンタルダウンで休職や退職に追い込まれているというのです。パワーハラスメントをされたという訴えも多いのだとか。
ところが、人事責任者が本人に事情を説明し、過去の言動について注意すると、激高する、自分を正当化する言い訳を延々とするのです。つまり、本人は全く自分に非があるとは思っておらず、自分は被害者という意識というわけです。
これまでも、このような問題管理職は職場に存在していましたが、会社としては本人が成果を出しているため、処分しにくい、あるいは優遇してしまうという現状があったのです。しかも、立場が上の人間に対しては自分をアピールするのが上手なため、社長含め経営幹部の中には、「あいつが信じられない、何かの間違いでは。勘違いではないのか。」などと本人を擁護してしまう場合すらあるのです。
ですが、このような「問題管理職」は部下をダメにするだけではなく、会社もダメにするのです。そのことを社長はしっかりと認識していなければなりません。ですが、認識していても見て見ぬふりをしている社長もいます。このような社長や会社の態度に、社員の士気はそがれ、組織の内部崩壊につながるのです。
組織の内部崩壊を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。
部下の話を会社としてしっかりと受け止める
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まず、最も大切なことは、複数の部下がハラスメントやメンタルヘルスの課題を訴えた場合、被害者の話をしっかりと聴くことです。産業医などに依頼してもよいでしょう。そして、問題管理職の「課題」を上層部でしっかりと認識することです。
本人の言い分にも耳を傾ける
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次に本人の話も聴くこと。特に被害者意識が強く、自分を省みることが出来ないタイプは、言い訳をしてきますが、まずは否定せずに話に耳を傾けることが大切です。一概には言えませんが、自己愛の課題を抱えている場合もあるため、悪者扱いされたと感じると途端に攻撃的になる人もいます。
そして、この時点で社内の関係者の間で情報を共有し、対策を考えることが必要です。産業医をはじめ社外の専門家と連携することが出来ればなお良いでしょう。外部研修や心理療法を受けてもらうことも考えることをお勧めします。
部下マネジメントをしっかりと評価の対象とする
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研修の受講や心理療法を受ける機会を提供したとしても、本来は本人の心の成長が必須であるため、本人に変わろうとする意志がない場合は、残念ながら限界があると言わざるを得ません。
会社として、このような問題管理職を優遇しないためにも、「部下への適切なマネジメントが出来る」ということをしっかりと評価の対象とすることが必要です。その場合、会社が管理職に求める「部下マネジメント」がどんなものなのか、明確にしておかなければなりません。というのも、「部下を精神的に追い込むことが育成につながる」と勘違いをしている場合もあるからです。
御社では「問題管理職」をしっかり認識していますか。問題を放置していませんか。今、問題を放置し、先送りするリスクから逃げてはならないのです。
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