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専門コラム 中小企業の社長が知っておくべき若手社員の突然のメンタル不調への対応 ストレス対策・ハラスメント対策

リーダーには「人と関わる力」が必須

23年目の社員が突然メンタル不調になり、休職や退職になってしまった」

これは今、多くの中小企業で起きている深刻な問題です。

 

新入社員の時期は、周囲からのフォローが手厚く、上司や先輩が気を配る体制も整っています。

 

しかし、入社23年目になると、「もう一人前だろう」と見なされ、急に関わりが減ってしまうからです。

 

その一方で、23年目の社員は、新人指導などの役割を任され始め、プレッシャーや責任感からひとりで抱え込むことが増えるわけですね。

 

サポートが減る一方で期待は増える。そんなアンバランスな状況が、メンタル不調の引き金となっているのです。

 

メンタル不調のサインは、行動と身体にも現れる

 

「元気がない」「気分が沈んでいる」など、メンタル不調と聞くと精神的な変化に注目しがちですが、実際には行動面や身体面にも多くのサインが現れます。

 

たとえば、

・業務スピードが遅くなった

・ミスが急に増えた

・理由をはっきり言わずに休むようになった(例:腹痛など)

 

これらの変化も、実は心のSOSかもしれません。

 

他にもこんな「いつもと違う」兆しがあります。

 

・日報の記載が急に雑になる

・身だしなみが乱れてきた

・表情が乏しくなった

・声のトーンが落ちている

・会議での発言が消極的になる

などです。

 

これらのサインは本人も気づかないうちに出ていることが多く、逆に周囲が気づくことで早期対応が可能になります。

 

「あれ?」と思ったら、早めに話を聞いてみる

 

小さな変化を感じたときは、遠慮せずに声をかけることが大切です。

 

「最近どう?」といった雑談からでも構いません。

 

いきなり仕事の話に入るのではなく、生活リズムや睡眠、食事といったプライベートなことに触れるのも効果的です。

 

特に若手社員の多くは一人暮らしで、オンとオフの切り替えがうまくいかず、孤独感を抱えていることもあります。

 

業務の進捗だけでなく、そういった面にも気を配れると、未然に不調の芽を摘むことができます。

 

ただし、このような話を自然にできるには、日頃からの信頼関係づくりが不可欠です。

 

上司と部下という立場の違いがあるからこそ、普段から心を開ける環境を整えることが大切なのですね。

 

これからの企業に求められる「未病」の視点

 

メンタル不調に陥った後の対応ももちろん大切ですが、今後は「そもそも不調にならない組織風土」をつくる視点がより重要になります。

 

これは東洋医学の考え方でいう「未病(みびょう)」と同じです。

 

症状が出てから治す(治療)ではなく、症状が出る前に気づいて対処する(予防)する。

 

この視点を経営の中に取り入れることで、社員の離職リスクを最小限に抑えられるだけでなく、生産性低下や採用コストの増加といった経営損失も防ぐことができます。

 

離職を防ぐ鍵は「人との関わり」

 

結局のところ、職場でのメンタル不調や離職の背景には「人間関係」が大きく影響しています。

 

仕事そのものの難易度よりも、「相談できる相手がいるか」「理解してくれる上司がいるか」が、若手の心理的な安定には欠かせません。

 

だからこそ、これからの中小企業の経営者やリーダーに求められるのは、「人と関わる力」なのです。

 

今日の提言
リーダーには「人と関わる力」が必須

 

 

 

 


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