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専門コラム メンタル不調予防のため、上司は部下のプライベートを尋ねてよいか。 ストレス対策・ハラスメント対策

部下の悩みを引き受けすぎないこと。上司はカウンセラーになる必要はない。

メンタルヘルス研修などで受講者の方からよく聞かれることがあります。

 

それは、「部下のメンタル不調予防のために、話を聴くことを意識している。ただ、プライベートなことをどこまで訊いて良いのだろうか。」ということ。

 

「プライベートの充実が仕事にも影響しているはずだから、ある程度のことは訊いて良いんではないかと思っているのですが・・・」と言われるのですね。

 

確かに仕事の内容や量、職場環境だけではなく、プライベートがいかに充実しているのかは、モチベーションや仕事の生産性にも関わってくると言えます。

 

ですので、部下のことをよく理解し、必要な配慮があれば考えたいというマネジメント側の考えは間違っているとは言えません。

 

ハラスメントにあたる可能性

 

ですが、さすがにプライベートなことに立ち入るのは、ハラスメントにあたる可能性もあるという認識を持つ必要もあるのです。

 

マネジメント側が、職場で社員が心身共に健康で安全に働けるように環境調整をするのは義務であり、メンタルヘルス予防にも重要なのですが、「上司」としての立場を忘れてはなりません。

 

上司の立場であれば、「会社で起きている部下の困りごとに対処する」「仕事上の悩みを解決する」ことが最も重要です。

 

相手との信頼関係が出来ている場合であっても、部下のプライベートな出来事を軽々しく質問することは避けた方が良いでしょう。

 

 

ストレス解消について尋ねる

 

もし、部下の様子がいつもと違うと感じたのであれば、「いつもと違うように見える」という主観を伝え、「何か仕事上で困っていることはないか」と尋ねてみてください。

 

あるいは、元気がない、眠そうと感じる場合は、「疲れているのではないか」と質問するのも良いでしょう。

 

休日の過ごし方についても、「誰とどこに行ったのか」などの具体的な過ごし方ではなく、「休日はのんびりできているのか。ストレス解消はできているのか。」などを尋ねるのがよいと思います。

 

上司が抱え込みすぎない

 

一方で、部下からプライベートなことを相談される場合もあるでしょう。

 

先輩として、信頼できるからこその相談だと思うのですが、相談内容が込み入っている場合や、人間関係や心理的な相談場合、その話をじっくり聴いたり、ましてや解決するのは上司の仕事とは言えません。

 

親身になりすぎて、上司自身が抱えきれなくなる場合もあります。上司はカウンセラーになる必要はありません。

 

相談を受けた場合、自分で解決しようと思わず、専門家への相談を勧めることを心がけてください。

 

今日の提言
 部下の悩みを引き受けすぎないこと。上司はカウンセラーになる必要はない。

 


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