専門コラム メンタル不調の部下への対応。上司がしてはいけない言動とは
今年は連休明けに陥りやすい5月病だけではなく、6月病もあると言われており、職場でも問題視されています。
そのような背景もあり、今年は例年に増して、メンタルヘルスに関する研修のご要望が多かったという印象です。
メンタルヘルスに関して最近感じるのは、受講者の中に、すでにメンタルヘルス予防に関して勉強熱心な方がいらっしゃるということ。
セルフケアはもちろん、ラインケア(上司が部下のメンタル不調を早期に発見し予防するためのメンタルケア)については、基本的な内容はすでに知っているのです。
また、職場でも部下のメンタルケアに対して日頃から積極的に意識的に関わっているような方もいらっしゃるのです。
熱心な上司が陥りがちな言動
部下の日頃のちょっとした変化に気づいて、声をかけるという関わりが出来ていらっしゃるのですから、十分にラインケアを果たしていらっしゃるのですが、少々、気になる言動をされる方もいます。
もちろん、部下の変化は見て見ぬふり、そのまま放置。それどころか気づかない、関心すらないというわけではないのですが、熱心なあまりやってしまいがちな「間違い」というのがあるのです。
それは「立場を間違ってしまう」ということ。
上司という立場を超えた言動
詳しく説明しますね。
「立場を間違ってしまう」とは、熱心な上司とはいえ、部下の不調を目の当たりにして、「君はうつ病ではないのかな。」「適応障害かもしれないな。」などと病名を出して伝えしまうことです。
あるいは、別の部下に対して「○○さんは、発達障害のように感じる。」というは発言も同じです。
具体的な病名を出してしまう
決めつけるような言い方をしてしまう
このような発言は問題です。
もちろん、体調が不安定だったり、落ち込んでいる様子があれば受診を勧めることは重要ですが、決めつけた言い方は間違っています。
ましてや医師ではないのですから、具体的な病名を口に出すのはご法度です。
ハラスメントになってしまう可能性
また、落ち込んでいる様子の部下に対して、理由(特にプライベートに関すること)を根堀り葉ほり訊くのも、部下が嫌がっている場合や、度を越えた場合は、ハラスメントにあたる可能性すらあります。
部下のプライベートな事情が、メンタル不調になっていると推測される場合でも、上司が解決できることではありませんから、これも立場を超えた支援と言えるでしょう。
上司自身にとっても、部下の悩みを自分の悩みのように感じてしまったり、部下の悩みが想像以上に大きい問題であるような場合、一人で背負いきれなくなることもあるので、声をかけて、傾聴し、共感的に話を聴くことが、結果的に双方にとってダメージが大きくなるだけということもあります。
上司は、あくまでも「仕事上の悩み」を解決するために話を聴き、できる対処を行うことg重要なのです。
さて、貴社ではメンタルヘルス対策は十分に出来ていますか。
これまで研修を受けているから大丈夫、問題ない!と「思い込み」や「間違い」に気づいていない場合もあります。
メンタルヘルスは、デリケートな話題でもあり、会社側、上司側は、言動や対応には慎重になるべきと知っておくことは基本であり、最も重要なことです。
再度、メンタルヘルスに関して学び直しがしたいとお考えの企業様はぜひこちらからお問い合わせください。お問い合わせはこちらから。
今日の提言
メンタルヘルス不調の部下には「上司」として「仕事上の悩み」解決の対応を行う