専門コラム 5月病対策。企業がすぐに出来ること、すべきことはコレ
このコラムは、2024年5月にメルマガで配信したものを一部加筆・修正した内容です。
5月病の原因となるストレス。4月は新年度の始まりであり、新入社員にとっては、環境の変化に慣れるために多大なストレスを受ける時期です。
社会人という慣れない生活、仕事内容や人間関係など緊張が強いられる日々。
現在、組織のトップや、幹部として活躍されているこのコラムの読者の方も、社会人1年目の当時を振り返れば、当時の緊張や不安を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな緊張から少しの間、解放されるのがゴールデンウィークなのです。4月の疲れを癒したり、旅行や趣味で気分転換をしたりと羽を伸ばすことが出来るのもこの時期です。
そのため、ゴールデンウィーク明けに現実と再度向き合うことになった時に、緊張の糸が切れ、疲れが出て、体調やメンタル面での不調が出てしまうことが多いのですね。
企業として、5月病ならぬ春先の新入社員のメンタルヘルス対策に頭を悩ませていないでしょうか。
ストレスチェックは毎年秋に実施している・・・
これから本格的な研修やOJTを迎えるのに不調を訴えられたら困る・・・
そんな経営者の方もいることでしょう。
そんな時、お金も時間もかけずに企業がすぐに出来ることについてお伝えしていきます。
メンタル不調の社員が増える影響
まず、5月病など、社員のメンタル不調が職場にもたらす影響には、以下のようなものがあります。
不調の社員のパフォーマンスが低下する
まわりの社員に業務上の負担がかかってしまう
そのため、たった一人のメンタル不調者が、他の社員のメンタル不調を引き起こしてしまう可能性もある
メンタルヘルス対策は予防が肝心
だからこそ、メンタルヘルス対策で最も重要なのは「予防」なのです。
うつ症状やうつ病となる前に早めに気づき、悪化しないように「予防」することなのです。
その際、企業側が「メンタルヘルスは医療分野。自分たちは出来ることは少ない。」と考えてしまうのは実に勿体ないことです。
というのも、毎日顔を見ている社員にだからこそ、企業として「予防」に関わることが出来るからです。
日々の声かけでメンタル不調を予防のひとつとしてお勧めしたいのが、社長や上司による「日々の声かけ」です。
業務が滞りなく進んでいるかなどの確認ではありません。
社員の調子をさりげなく聞いたり、困っていることがないか質問したり、あるいは、頑張っていることを労う声かけでも良いでしょう。
実際には、社長や上司が不調を改善してくれるわけではなくとも、「気にかけてくれている」ということは伝わります。
特に、最近、
「元気がなさそうに見える」
「笑顔が少なくなった」
「服装にかまわなくなっている」
「仕事上のミスが増えている」
などの変化が感じられる社員には、積極的に声をかけてください。
声をかけた時、
「大丈夫です」
「特にありません」
という返事が返ってきた場合は、「何か困ったことがあったらいつでも話して欲しい」と伝えておくことが重要です。
新入社員の立場で、職位が上の方に調子はどうかと聞かれて「はい、最近、ちょっと不調です。」とすぐに答えることができるわけではありません。
だからこそ、いつでも話を聞く準備が出来ているということを、日常的に伝えておく必要があるのです。
日頃の信頼関係の構築がカギ
このように、新入社員のメンタル不調に早めに気づくためには、社長や上司による日々の声かけが重要となってきます。
その際にカギとなるのが、日頃からどれだけ良好なコミュニケーションを取っているのか、信頼関係があるのかということです。
当社では、1on1による定期的な面談をお勧めしていますが、定期的な面談であること、信頼関係をつくるきっかけになることから、メンタルヘルス対策の予防のためにも重要と考えています。
ぜひこの機会に、1on1面談の社内導入についてもご検討くださいね。
まず、1on1の基本から学びたい方はこちらから。
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今日の提言
社員の5月病を予防。ちょっとした普段との「違い」を感じたら声かけを!