専門コラム 優秀な社員が休職した時に会社がすべき3つのこと
「頼りにしていた優秀な人材が、体調を崩して休職することになってしまいました。仕事ができるのはもちろん、ムードメーカーのような立場でもあり、彼が抜けた穴はとてつもなく大きいと実感しています。
同じことが二度とおきないよう、予防をしっかりしなければと思っているのですが、どんな対応をすべきなのでしょうか。
実際に残された社員も、彼がいないことで業務量が増えており、疲弊しているようなんです。」
コロナ禍で働き方が変化したこともあり、在宅勤務の社員も一定数いる中で、思いがけない業務が増えてしまい、結果的に、これまでの人数では消化できない仕事量を請け負ってしまっている職場からの相談が増えています。
そんな中、経営陣が最も期待し育成してきた社員が体調不良となり休職してしまったのですから、職場へのダメージは計り知れません。
特に、小規模組織の場合は、社員一人が抜けることの影響は大きいものです。
そのダメージを受けながらもしっかりと会社を動かしていかなければならないわけですが、このような時、絶対に忘れてはならないことがあります。
それは、職場に残っている社員の心身の状態をしっかりと把握すること。そして、把握した上で、配慮をするということです。
人員が減ることでより負荷がかかってしまうことを知りながら、そして同じように疲弊している社員がいることを知りながら、手を打たないでいるのは安全配慮義務に違反する行為です。
安全配慮義務とは労働契約法第5条に定められている義務のことで、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定められています。
つまり、安全で働きやすい環境で仕事ができるような職場環境をつくらなければならないということです。
疲弊している社員が多いことを知りながら、このまま続けていては安全に働くことが難しいという可能性があることを知りながら、何の配慮もせずに働かせてはいけないのです。
だからこそ、休職者が出たような場合は、より慎重に残された社員への心身の状態の聞き取りや、その上での業務上の配慮、休みをとらせること、そして普段からの声かけが重要になってきます。
特にムードメーカーであった、頼りがいのある社員の休職は、まわりの社員がショックを受けている可能性が大です。
いつもにも増して、コミュニケーションを取るよう管理職に徹底することが必要となります。
出来れば日頃から、社員一人ひとりが自らのストレスをケアできるような知識の提供や、管理職による定期的な声かけ、業務確認などをすることが重要です。
まとめです。
・休職者が出た場合、残されたまわりの社員への迅速な聞き取りを行うこと
・業務上の配慮をすること(これには、人員の補充なども含まれます)
・そして、頻繁にコミュニケーションを取ることをしっかり行うことがお勧めです。
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