専門コラム やってはいけない、ハラスメント放置と安易なハラスメント対策

第141話: やってはいけない、ハラスメント放置と安易なハラスメント対策
イキイキ働く社員が育つ人材育成、働きがいのある職場環境や活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社には、自ら人材育成や組織風土改革に熱心な企業の社長や経営陣から様々な相談をお受けしております。
組織風土、つまり組織のカルチャーというのは長い時間かかって醸成されていきます。しかも、自身がその組織内にいると、その組織の「常識」や「ルール」が当たり前になってしまうことがあり、何か問題があっても気づかないことすらあります。
最近、ハラスメント防止法の施行にあたり、ハラスメント予防に関するご相談が増えてきました。企業によっては、これまで何もせずに放置してきたところもあり、何か手を打たなければと、取り急ぎ研修をやってみようと取り組んでいるところもあります。
研修を行うことで、社内でハラスメントに関する共通認識を持つことは良いことではありますが、それだけに留まってしまうのは、実はとても危険なことでもあるのです。
「自社では研修を行うなど、十分に対応している」などと思い込んでしまうからです。十分などころか、本来ならば研修を導入する前にきちんと社内で行っておくべきことがあるのです。
会社の方針を打ち出す
まずは、会社トップからの意思表明です。ハラスメントを徹底予防するという態度を社員に示すことが大変重要です。会社をあげて、ハラスメントがない、社員がイキイキと働ける職場にする覚悟を伝える必要があるのです。
窓口、プロセスなどフローの明確化
次に、相談窓口を明確化することです。一時受付を外部に委託するとしても、社内のコンプライアンスあるいは人事部内での窓口のしくみをしっかりとつくり、名言することが求められます。
また、相談後、社内でどのようなフローがあり、ハラスメントとして認められるのか、その後、被行為者や行為者はどうなるのかなど、出来る限り、共有しておく必要があります。
情報を常にアップデートする
何より大切なのは、社員ひとり一人が、どのような言動がハラスメントになるのかをしっかりと理解するということです。残念ながら1回の研修だけでは頭に残らないこともあります。
特に、学生時代、あるいは入社後の若いころ、「自分の時代は、こういうことは当たり前にあった。」「自分はこうやって指導され育てられてきた。」という世代の価値観を、「今ではそんな言い訳は通用しない。」と一掃することです。
このような古い価値観を持った人物が、現在、社内でかなりの高い地位にいる場合は、難しい取り組みではありますが、何か事案が起こってしまった後のリスクとして考えると、野放しにはしておけません。
当コラムでも何度もお伝えしているように、ハラスメントは個人の問題だけではなく、組織全体に大きな影響を及ぼす問題として捉えなければなりません。会社の社会的信用を失うことになる前に、ハラスメント撲滅に向けて、研修だけではない組織カルチャーの抜本的な改革、「組織風土づくり」が今こそ必要なのです。
御社は、ハラスメントのリスクを十分に理解していますか?ハラスメント撲滅に向けた対策を打っていますか?
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2020年3月13日(金)
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今週の提言
ハラスメント対策は、常に新価値へのアップデートを
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