専門コラム 社長が知っておくべきハラスメントが起きやすい職場と対処法
第106話: 社長が知っておくべきハラスメントが起きやすい職場と対処法
イキイキ働く社員が育つ人材育成、働きがいのある職場環境や活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社には、日ごろより組織風土改革、職場環境改善に対する意識が高く、すでになんらかの取り組みを行っている企業の社長さんから様々な相談をお受けしております。
最近、特にお問い合わせやご相談が増えているのがハラスメントに関すること。管理職向けの研修をご要望の企業も増えてきています。確かに昨年よりハラスメントに関する社会の関心が高まり、企業や団体、そして加害者本人に対する社会的制裁も厳しくなってきています。
その中で、「うちの会社は大丈夫」ではなく、「もしかしたら、うちの会社でもハラスメントがおこっているかもしれない。」「ハラスメントが起こる可能性があるかもしれない。」と自社組織を冷静かつ客観的に捉え、すぐに打ち手を考え行動しなければならないのです。
ハラスメント事案がおきた場合、企業が解決のためにかける労力、時間、コストは大きいものがあります。しかも、報道された場合などは、社会的な制裁を受けるだけではなく、不買運動なども起こり得るわけで、企業のイメージダウンとなります。被害者、加害者社員共にメンタル不調やパフォーマンス低下などを引き起こすだけではなく、社会的信用を失い、顧客を失うというリスクを考えれば、ハラスメントを起こさない風土をつくりあげることは、今すぐ取り掛からなければならない経営戦略のひとつでもあります。
さて、ハラスメント、特にパワーハラスメントが起きやすい職場とはどのような職場なのでしょうか。特徴は3つあります。
・リーダーが一方的にやり方を押し付けてくるチーム
・チーム内でメンバー間に能力の差が大きい
・他チームとの交流が少なく、閉鎖的な雰囲気がある
それぞれの特徴と、改善点についてお伝えしていきます。
リーダーが一方的にやり方を押し付けるチーム
このようなチームは、リーダーが大変優秀で自信もあり、リーダーシップを発揮して実際に結果を出しています。ところが、人材育成という視点がなく、リーダーは自分の価値観で、一方的に指示命令をしています。その認められたやり方だけが評価され、チーダーが絶対的に正しいという誤解が生まれやすいチームです。
結果を出しているため、外からは優秀なチームと見なされがちですが、誰もリーダーに意見を言うことが出来なくなり、組織としては硬直しています。そのため、突発的な変化に弱い集団とも言えます。
リーダーが自身のマネジメントの問題に全く気付いていない場合も多く、社長であれば、このことから目をそらしてはいけなにのです。ましてやリーダーに方針に加担、同調してはならないのです。
チーム内でメンバー間に能力の差が大きい
能力のあるメンバーに仕事が偏ってしまうという点で問題です。仕事量が多いメンバーが疲弊していくというリスクもあると同時に、能力の高いメンバーがその他のメンバーを見下す風潮を生み出す可能性もあります。他のメンバーは委縮して意見を言えだせなくなり、チーム内に様々な格差が生まれてしまうのです。
能力が低いメンバーを教育するという働きかけを行わなければ、この格差は広がるばかりで、ますますハラスメントが起こりやすい雰囲気となっていくのです。
他チームとの交流が少なく、閉鎖的な雰囲気がある
なぜ、交流がないのか。その理由として、そもそもジョブローテーションが少ないため、人間関係が固定化してしまうことがあがられます。固定化した関係の中で、いったん信頼関係を失うと孤立してしまう場合があります。
職種によっては専門的な資格や知識が必要であるため、ジョブローテーションが難しい場合もあることでしょう。ならば、他チームとの交流の機会をつくる、増やすなど、すぐでも取り掛かれる打ち手というのもがあるに違いないのです。
まとめ
ハラスメントは、自社では絶対に起こさないというトップの意識改革と姿勢が重要なのです。加害者にならないというだけではなく、職場内で、誰かがハラスメントの被害にあっているのではないかと感じたら、気づいたら、見過ごしてはいけません。ハラスメントは、「しない」だけではなく、「させない」「許さない」という断固とした姿勢が必要なのです。それを社員に示すのは、社長が率先して行うべきことなのです。
パワハラと業務上の必要な指導との線引きはどこにあるのか、昔からの社内フールではなく、社会通念上の認識、基準は何なのか、今こそトップが自ら自身の価値観を見直し、アップデートする時期にきているのです。
今週の提言
ハラスメントは「しない、させない、許さない」姿勢で。
今すぐ、正しい知識と判断基準のアップデートをすべきである。
開催予定のセミナーがあります。
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