専門コラム できる社長はここが違う!社員が成長する会話の極意

企業の成長には、社員がいきいきと働ける環境づくりが欠かせません。そのためには、リーダーの役割が非常に重要です。
当社には、社員の育成に熱心な社長の方々から、多くの相談が寄せられています。
先日、ある企業の経営者と話をする機会がありました。
この企業では、将来の幹部候補を若いうちから選抜し、経営に関する知識だけでなく、幅広い分野のスキルを学ぶ機会を提供しています。
選抜された社員たちは、積極的にディスカッションに参加し、真剣に学びを深めているとのことでした。
しかし、いくら優秀な人材を育成しても、リーダーとしての役割を十分に果たせるとは限りません。リーダーが組織を牽引し、目標を達成するためには、何よりも「コミュニケーション能力」が求められます。
では、優秀なリーダーに不可欠なコミュニケーション能力とはどのようなもので
しょうか。
ここでは、特に重要な3つのポイントを紹介します。
リーダーに求められるコミュニケーション能力3つ
1. 双方向のコミュニケーションを促す力
リーダーには、ただ話が上手なだけではなく、メンバーとの双方向のコミュニケーションを促す力が求められます。リーダーが一方的に指示を出すのではなく、メンバーの意見を引き出し、対話を通じて彼らのモチベーションを高めることが重要です。
この力を発揮するためには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
積極的に傾聴する:相手の話を遮らず、しっかりと耳を傾けることで、信頼関係を築くことができます。
エンパワーメントを意識する:部下の意見や提案を尊重し、必要なサポートを行うことで、彼らの自主性を引き出します。
フィードバックを大切にする:良い点は積極的に認め、改善すべき点は建設的に伝えることで、成長を促します。
リーダーが双方向のコミュニケーションを重視することで、メンバーは主体的に行動し、組織全体の活力が高まるのです。
2. 情報が自然と集まる関係性を築く力
リーダーには、重要な情報がタイムリーに集まる環境を整えることも求められます。
特に、問題や課題が発生した際に、メンバーが安心して報告できる関係性を築くことが重要です。
例えば、以下のような点に注意するとよいでしょう。
心理的安全性を確保する:ミスや課題を報告しやすい雰囲気を作ることで、問題解決が迅速になります。
日常的な対話を増やす:フォーマルな会議だけでなく、日常の会話を通じてメンバーの様子を把握することが大切です。
感謝の言葉を忘れない:報告や相談を受けた際には、まずは「話してくれてありがとう」と伝えることで、情報共有のハードルを下げることができます。
リーダーがこうした姿勢を持つことで、組織内の情報共有がスムーズになり、適切な判断と対応が可能になります。
3. 組織のビジョンや価値観を伝える力
リーダーの役割の一つに、組織のビジョンや価値観を明確に伝え、メンバーを方向付けることがあります。
どれだけ優れた戦略や計画があっても、それを実行するのは現場の社員です。彼らが自らの仕事に意義を感じ、誇りを持って取り組める環境を作ることが重要です。
そのためには、以下の点を意識することが効果的です。
組織のビジョンや価値観の伝え方
ビジョンをわかりやすく語る:抽象的な言葉ではなく、具体的なエピソードや例を交えて説明することで、メンバーの共感を得やすくなります。
繰り返し伝える:一度話せば伝わるわけではありません。様々な場面で繰り返し伝えることで、浸透を図ります。
リーダー自身が体現する:自らの行動でビジョンや価値観を示すことで、メンバーに納得感を与えることができます。
ビジョンや価値観が明確に伝わることで、メンバーは組織の方向性を理解し、一体感を持って業務に取り組むことができるのです。
優秀なリーダーに求められるコミュニケーション能力として、双方向のコミュニケーションを促す力、情報が自然と集まる関係性を築く力、組織のビジョンや価値観を伝える力の3つを紹介しました。
もはや、リーダーにカリスマ性を求める時代ではありません。むしろ、メンバーとの信頼関係を築き、組織全体を巻き込む力こそが重要です。
自らのコミュニケーションスタイルを振り返り、改善すべき点がないか確認してみてください。
そして、今こそリーダーとしての力を発揮し、組織をより良い方向へ導いていきましょう。
今日の提言
社員を成長させるリーダーは、信頼・対話・ビジョンの伝達力で組織に力を与える。