専門コラム 成長する企業が行っている社内コミュニケーションの実態
第190話: 成長する企業が行っている社内コミュニケーションの実態
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、ニューノーマルという生活様式を余儀なくされている今、「働き方」についても加速度がついて変化していくことは火を見るよりも明らかです。そもそも人生100年時代に、「どうやって長く働くのか」がこれからの課題だと言われてきましたが、今回のコロナ渦を経験して、ますますひとり一人の働く価値観が大きく変化してきています。
たとえば、テレワークが普及するにつれて、今後は「どこで働くか」はほとんど意味をなさなくなり、「誰と働くか」そして「何のために働くのか」がクローズアップされていくことでしょう。
「何のために働くのか」については、「稼ぐため」とあまりにも短絡的な思考ではこれからの時代は取り残されていきます。「稼ぐ」ことと明言するのは悪いことではないのですが、経営者はもちろん、社内の社員全てが「誰ために、どんな問題を解決するために働くのか」という意識を持つ必要があります。
そして、この先の見えない状況下において、ただでさえ不安に翻弄されてしまう今、中小企業が生き残るために、ますます社内のコミュニケーションの重要性が見直されてきているのです。
コミュニケーションを頻繁に行い、明るい未来に向けていかに今から社内に良い土壌を作っておけるか、つまり組織風土をつくることが出来るかが、ポストコロナで他社と大きな差が出る一因になるのです。人を惹きつけ、人が集まる場所として自社に良いカルチャーを作っておくことは、経営者にとって重要な経営戦略の1つであるとも言えるでしょう。
では、具体的にどのようなコミュニケーションを行い、自社風土を作っていけば良いのでしょうか。
社長がすべきこと3つの重要ポイントについてお伝えします。
自社の存在意義を語る
まずは、何と言っても、今こそ圧倒的な熱量で「自社の存在意義」を語るべきなのです。これまでも自社の存在意義を事あるごとに口に出してきたという方であっても、今この時代にあらためて、「自社の存在意義」に向き合い、今の気持ちで語るのです。この時、どれだけ社長が熱量をもって語れるかが重要です。
メタ認知の視点を持つ
目先のことだけに捕らわれるのではなく、新型コロナウィルスに翻弄されている現状を一段上から眺めるという視点を持つのです。現状をどう捉えるか、特に、この経験を今後どう事業に活かすのかという視点を持つということです。それらを経営陣のみならず社内で共有するのです。
ルールづくり仕組みづくり
上記のような社内コミュニケーションは、1回実施しただけでは意味がありません。理想としては、社内の様々な場で同じ方向、熱量のコミュニケーションがあるべきなのです。そのためには、ひとり一人の管理職が自らのチームに対して、十分なコミュニケーションをする必要があります。
社内コミュニケーションは「ポジティブな言葉を使うこと」、「前向きであること」が大前提です。ですが、そもそも管理職自身のコミュニケーション能力にばらつきがあります。それを解決するためには、コミュニケーションのルールと、定期的、継続的に実施する仕組みを作ることのです。