専門コラム 部下の成果が出ない原因。上司が整えるべき職場の安心感とは?

「部下の成果が上がらない」「主体性が感じられない」——。
そんな悩みを抱える経営者や管理職は少なくありません。
ただ、多くの方がその原因を部下自身の「スキル不足」や「経験不足」だと考えがちですが、実はそれだけでは説明できないケースが多いのです。
実は部下のパフォーマンスを左右する見えない要因があるのです。それが 環境適応感 です。
環境適応感とは何か
環境適応感とは、「この職場にいていい」「このチームの一員として受け入れられている」と本人が感じられる感覚のことを指します。
心理学の研究でも、この感覚が高いほど職場で安心感が得られ、協調性や主体性が高まり、自然に成果につながるとされています。
反対に、環境適応感が低いとどうなるでしょうか。
「自分は評価されていない」「孤独だ」と感じる状態では、どれだけ能力が高くても本来の力を発揮できません。
つまり、部下が伸び悩んでいるのは能力不足ではなく、「ここにいて良い」と思える環境が整っていないことが原因の場合があるのです。
環境適応感が低いときに起きること
環境適応感が不足すると、部下は次第に以下のような状態に陥ります。
• 上司に相談しづらくなる
• 頼れる人がいないと感じる
• チームから浮いている感覚を持つ
• 集中力や意欲を失い、仕事に身が入らない
この状態を放置すれば 離職リスクが非常に高くなります。
ですから、社員の主体性を高めたいなら、まずは「安心できる環境」が欠かせないのです。
上司ができる4つの具体的な関わり方
では、どうすれば部下の環境適応感を高められるのでしょうか。
カギとなるのは「積極的なコミュニケーション」と「役割の明確化」です。
1. 存在価値を伝える
「あなたはこのチームに必要な存在だ」と感じられる言葉をかける。
2. 強みに注目したフィードバック
「今日のプレゼン内容はとても分かりやすかったよ」と具体的に伝える。
3. 役割の明確化
「今回はまとめ役を期待しているよ」とポジションを示す。
4. 変化へのフォロー
異動や新しい業務を任せた直後には「今後のキャリアを見据えて挑戦してもらうね」と背景を伝える。
こうした言葉がけを意識的に行うことで、部下は安心感を得て、自らの役割を果たそうとする姿勢が自然に生まれていくのです。
環境適応感はチームの見えない基盤
環境適応感は目に見えるものではありませんが、チーム全体の成果を支える大切な基盤です。
どんなに優秀な人材でも、「この職場に居ていいのだろうか」と不安を抱えたままでは力を発揮できません。
だからこそ、マネジメントに携わる人がまず取り組むべきは、部下が安心して働ける環境を整えること。
「安心できる職場づくり」こそが、経営者や管理職に求められる最大のマネジメント課題なのです。
今日の提言
安心感が成果を生む

