専門コラム 伸びる会社がもつ、売上より大切な「常に変わらず持っている」ものとは
先日、ある有名企業の経営者の方の講演を聞く機会がありました。
企業の名前は公表できませんが、独自のマーケティング力で認知度も高く成長している企業です。
学生にもアルバイト先として超人気のある企業のひとつです。
講演を聞き、最も印象に残ったのが、会社として「大切にしているもの」に関するお話でした。
その会社が「大切にしているもの」
さて何だと思いますか。
それは、会社の掲げる「ミッション」です。
「ミッション」、つまり「使命」。
会社がなぜ、それ（その事業）をやるのか。
何のためにやるのか。
誰のためにやるのか。
会社の存在意義と言ってもよいかもしれません。
ただ、多くの企業では、ミッションは「掲げる」もので終わってしまい、何か、特別なもの、遠くにあるものになりがちです。
経営陣でさえ、自社のミッションを正しく言うことが出来ないという企業すらあるくらいです。
ですが、伸びる企業では、ミッションを単に掲げただけで終わりにはしません。
事あるごとにミッションを取り上げ、日々、社員だけではなくアルバイトも含め、自社のミッションの意味することをとことん理解しようとする、とことん考える・・・ということをしているのです。
そのため、自社のミッションを知らない、忘れたという社員がほぼおらず、日々の仕事にも大いに影響しています。
というのは、会社のミッションを具現化するために、自分は何をすべきなのか、どんな言動をとるべきなのか、どんな判断をすべきなのかという個々の社員の「行動指針」「行動目標」になっているからです。
冒頭でご紹介した企業でも、会社のミッションが、自社で働く全ての人の行動の目標になっているそうです。
この行動目標は、一人ひとりが考え、上司と1対1の面談で定期的に確認されています。
さらに、自ら考えた行動目標に対して評価されるため、人事評価に対する不満も少ないのです。
このように会社が持つ揺るぎないミッションがあるせいで、世間には多くのファンがおり、アルバイトとして働いてみたいという学生からの熱烈なラブコールが絶えないのですね。
そして、会社が掲げる「ミッション」が、心に刺さるのでしょう。魅力的なのでしょう。
だからこそ、社員やアルバイトスタッフのモチベーションは常に高いのだそうです。
2024年度を迎え、社会は今後もますます時代と共に変化していくでしょう。
その変化のスピードは速く、予測のつかないことも起きうることは、この3年、コロナ禍を経験した私たちはすでにわかっているはずです。
ですが、時代が変わっても、いいえ、時代が変わるからこそ、「何のためにそれ（その事業）をやるのか」を常に変わらず掲げている企業は活き残るのです。
モチベーションの高い社員に慕われ、成長していくのです。
さて、あなたのの働く組織のミッションは何ですか。
社員は自社のミッションを深く理解し、日々の言動に活かしていますか。
あなたが経営者ならば、「社員のモチベーションを上げる」、「生産性を向上する」
という目標を掲げる前に、自社の「ミッション」を今一度、深く考えてみること、そして社内に自分の言葉で発信してみることをお勧め致します。
今週の提言
揺るぎない、魅力的な会社の「ミッション」が社員の心に響く
