専門コラム 会社にどんより漂う 社員の不安や不信を払しょくするには

以前、コンサルティングをご依頼された企業の責任者の方から、再度、ご相談を受けました。
コロナにより会社の業績が悪化してしまったことで、会社全体の士気が下がっているんです。
ひとり一人の社員のやる気がない・・・というレベルではなく、全体的にどんよりした雰囲気が社内に漂っているんですよね。
社員は、「組織としてのステータスが下がった」とばかりに、私たち経営陣に対するイライラを募らせているようなのです。」と語られます。
「最近では、社員は気持ちに余裕がなく、ギスギスした感じが職場全体に蔓延していています。それぞれ不信感や不安を抱えているのでしょう。
でも、我々としては、どうしたらよいのか、すぐに良いアイディアが浮かばないのです。」と続きました。
こんな時、士気が下がった社員が、よくしがちなのが犯人捜し、原因探しなのです。
会社のあの時の決断がまずかった・・・
経営方針が変更した時期が遅かった・・・
と、現在の不安や不信感を作り出した原因や犯人を追求することで、イライラや、不安定な気持ちのバランスを取ろうとするのです。
このように組織にギスギスした感情が渦巻いてしまうと、例え、社長が将来のビジョンを熱く語ったとしても、なかなか社員には届きません。
将来のことより、現在の不満や不安が大きく、明るい未来を描けないという心理状態に陥っているからです。
では、どうしたらよいのか。
それは、今、目の前にある「やるべきこと」に集中させるということです。
過去を振り返ることや、未来を見通すことを脇に置き、今現在、組織としてすべきことの優先順位を明らかにすることなのです。
とはいえ、ギスギスした感情が根付いた組織においてすっきりした気持ちで現在の業務に取り組むことが難しい場合もあります。
だからこそ、社員どうして支え合うことが重要になります。
特に心理的なサポートが必要で、社員どうして互いにやる気を高め合うような仕組みが求められるのです。
当社でお勧めしている方法のひとつが「ピアボーナス制度」の導入です。
ピアとは仲間のことで、ボーナスは報酬を意味します。職場におけるピアボーナス制度とは、社員同士が報酬を贈りあう制度のことです。
この場合の報酬は経済的な報酬ではなく、心理的報酬を意味します。心理的報酬とは、心が喜ぶこと、つまり、感謝や労い、承認、称賛を相手に贈るということです。
組織において、感謝を表し共有することで、同僚間の協力を生み出すという調査結果もあります。
組織風土を変えようとする時、経営トップによるトップダウンだけが有効なのではありません。
時に、組織内で社員同士、仲間との間に「仲間を信じられるか」「仲間と助け合えるか関係か」、「自分の弱さをさらけ出しても安全だと思えるか」などの仲間との間に良好な「心理的・感情的」関係が育っているかが重要なのです。
社員同士に信頼感や安心感が生まれれば、ギスギスした職場は、信頼関係で結ばれた働きやすい職場に変わっていくのです。
もし自社において、職場の一体感がない・・・
チームとしての生産性が低い・・・
ハラスメントなどの問題が存在している・・・・とお悩みならば、ぜひ当社にご相談ください。
今日の提言
今、目の前にある仕事への集中と心理的報酬の活用で士気を上げる