専門コラム なぜ、職場風土改革を学ぶ社長の改革はうまく行かないのか
第146話: なぜ、職場風土改革を学ぶ社長の改革はうまく行かないのか
イキイキ働く社員が育つ人材育成、働きがいのある職場環境や活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社には、自ら人材育成や組織風土改革に熱心な企業の社長や経営陣から様々な相談をお受けしております。
- 社員のモチベーションが低く、職場に活気がない
- ベテラン社員と若手社員のコミュニケーションがうまく行っていない
- 若い社員がメンタルダウンを訴え、離職するケースが増えている
などの理由で、職場の環境、職場風土をなんとか改善したいという想いで弊社のセミナーにお越しになるのです。
その後の個別コンサルティングにおいては、じっくりと時間をかけてお話を聞くのですが、ここで驚くのが、現場で何が起きているのかを正確に把握していない企業が多いということです。
すでになんらかの「サイン」が出ている・・・
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確かに、職場環境や風土というのは目に見えるものではありませんし、なんらかのモノサシで測るにしても、実態が理解しづらいものではあります。が、社長が、「このままではまずい」と感じた何らかの「きっかけ」は必ずあるものです。
その「きっかけ」が気になり、よくよく自社内を見直してみたり、今、起きている問題に目を向けてみると、実はすでに、何等かの問題が発生していること、それが少しずつ悪化していることに対する様々なサインが出ているものです。
ある支店で、これまでにないミスが発生し「顧客」に迷惑をかけてしまった
20代の女性社員が立て続けに3人も会社を辞めてしまった
など、一見、職場風土とは関係ないように思えることであったり、あるいは個人的な理由にしか思えないことであったりするのですが、これらのサインの本原因の把握や本質の議論が正しく行われていないのです。
本質を理解しないままの職場風土改革の盲点
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「このままではマズイ」という感覚は間違いないとしても、その後、外部セミナーや書籍を通じて、対処法を理解したつもりになり、また、「これで職場がよくなる」と一方的に何等かの施策を行ってみたところで、うまくいくはずがありません。
その理由は主に2つ。
一つ目は、書籍やセミナーで、職場環境改善方法を理解したとしても、その「理解」したことと、「実践」できることは違うからです。もう一つは、現場で起きていること、それを解決することが重要であるにも関わらず、現場の生の声、現状をほとんど把握していないからです。実践できないのも、現状把握が十分に出来ていないからであります。
社員の「不平や不満から逃げない」
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まずすべきことは、職場で起きている、「人材の問題」「コミュニケーションの問題」「離職などの問題」などを出来る限り明らかにすることです。その場合、データだけではありません。社員から生の声、つまり不平や不満をどんどん声に出してもらうということです。
これは経営者にとっては耳が痛いことでもあります。が、この段階をしっかり行ったかどうかで、その後の組織風土改革の成功率は大きく変わります。逃げずに、現場の社員の声にしっかりと耳を傾けてください。
その後、自社内で職場環境改善を決め、それらを実行していく段階でも、社員から不平や不満が噴き出ることがあります。新しいことを行うと、必ず、それを受け入れられず抵抗する社員がいるのです。
特に彼らは、あからさまに「文句ばかり言い、協力しない」「無視する」ことで必死に抵抗してくるものです。その場合も同様です。彼らの不平や不満、そして「変わりたくない気持ち」や「変わることへの不安や恐れ」についても、しっかりと耳を傾けてください。
職場風土改革の成功の秘訣は、社長がどれだけ「耳の痛いこと」を避けずに、問題に直面化できるかにかかっているのです。
開催予定のセミナーがあります。
2020年3月13日(金)
社員のやる気と自発性を引き出す 「人材育成」と「組織風土づくり」の課題解決セミナー。詳細はこちら。
今週の提言
成長する企業は、社員の不平や不満を歓迎している
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