専門コラム 社長が知っておくべき 若手人材が「働きたい会社」の正体
第109話:社長が知っておくべき 若手人材が「働きたい会社」の正体
イキイキ働く社員が育つ人材育成、働きがいのある職場環境や活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社には、日ごろより人材育成に対する意識が高く、すでになんらかの取り組みを行っている企業の社長さんから様々な相談をお受けしております。
5月に入り、すでにかなりの若手社員が5月病にかかっているのだとか。やりたいことが出来ない悩み、自分の個性や能力を発揮できない物足りなさを感じているのだそうです。結果、無気力になり、心身の不調を感じる場合もあります。
5月病を見逃せないのは、どのような理由であれ、仕事や職場に対して情熱が持てずに、やる気ばかりがそがれ、孤立してしまうことでしょうか。結果、社会人として十分に役目を果たせず、組織の中でも大きな「荷物」になってしまうのです。
そもそも集団で仕事をするにあたり、私たちには「社会的手抜き」をしてしまうという心理を持っています。自分一人ぐらい手を抜いても大丈夫だろうと考え、努力しなくなるという現象を指します。
つまり、組織の中で明らかに、やる気がなく貢献しないメンバーが一人でもいて、その状態が放置されていると、チーム全体に影響が及び、「あのような人が見逃されているのだから、自分だって多少手を抜いても大丈夫だろう。」という心理状態に陥るということは、少し考えれば容易に想像がつくことです。
たった一人の5月病の若手社員がいることを知りながら何も手を打たないでいると、集団の中に「社会的手抜き」心理が蔓延してしまうため、経営者としては決して見逃してはいけないのです。
では、「社会的手抜き」の心理を防ぐために、何をすべきなのか。その施策をご紹介します。
仕事の意義、貢献度を明確にし、共有する
チームメンバー同士で互いに関与する
集団の魅力を高める
仕事の意義や貢献を明確にし、共有する
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まずは、「自分ひとりくらい手を抜いても良い」ではなく、「自分はこのチーム、職場で○○という業務を担い、それは○○に役に立っているのだ。」ということを明確するということです。若手社員の場合は、今、目の前の仕事の意義や貢献について伝え、腹おちしてもらう必要があります。その際に、個々人が将来像を描けるよう、可能なキャリアビジョンを示すことも重要です。
そして、貢献度に応じて評価するのです。ここであってはならないのが、社員が貢献したと思っていても、会社が十分な貢献であると認めない場合です。そのため、何をもって「貢献」とするのか、目線合わせをしておくことが必要なのです。
チームメンバー同士で互いに関与する
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会社が「貢献」を評価するだけではなく、チームメンバー間で、互いに認める、尊重する、感謝しあうという風土が求められます。「自分はこれだけ頑張っているのに、仲間から尊重されていない。」と感じてしまうと、チームのために頑張るということが難しくなります。
特に、チーム内でどの仕事にも同じように光があたっているわけではないため、余計に、普段から、「やってもらって当たり前」ではなく、「やってもらえて有難う」を表現しあうべきなのです。それには日ごろからメンバーに関心を寄せている状況が必要なのです。
集団自体の魅力を高める
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メンバーがみな、イキイキと誇りをもって仕事に熱中している職場は、活気づいています。若手社員は、まわりの先輩社員や上司の仕事に向き合う姿勢や、スキル、そして仕事を楽しむ心持ちに触発されて、このような集団に属していること自体を誇りに感じることでしょう。
イキイキと誇りをもって仕事に熱中してもらうためには、経営トップが率先して職場風土づくりを経営戦略として認識し、しっかりと取り組む必要があるのです。
まとめ
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弊社がコンサルティングを通じてお伝えしている「アクティブメンタル」組織は、まさに若手が働きたい、働き続けたいと思う会社でもあります。
今どきの若手社員は根性がない、理想ばかり高くで打たれ弱いなどと嘆くのではなく、今こそ、彼らを引き付ける魅力的な会社づくりを行うべきです。ただし他社と同じようなことを行っても差別化にはなりません。御社の強みや特徴を活かした取り組みを行ってください。
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