今週の専門コラム 「アクティブメンタル®体制でつくる収益と笑顔」 第66話:働きがいのある職場づくり。「社内制度」が失敗した時の考え方

「うちの会社は社員が大人しくて。もっと積極的に行動してもらいたい、社員のやる気に火をつけたいと思っているんです。そこで、今度、新しい制度を導入しようと考えていまして・・・」

以前、弊社に相談に来られた社長の言葉です。よくよくお話をうかがっていくと、すでに社内で様々な制度をつくり実践されているとのこと。社長の熱意、想いが伝わってくる話しぶりです。

「すでに様々な制度で、社員が働きやすい職場づくりを行っていますね。」とお伝えすると、人財育成にはとても力を入れているのだとか。そうしないと、業務の内容上、社員が次のステップを求めて転職するということが続いているのだそうです。

「ですが、これらの制度は、全て上手くいっているというわけではありませんで・・・」と言葉が詰まります。社長は熱心で勉強家でもあります。行動力もおありのため、どんどん新しい制度を導入しているようです。

ですが、ある制度が上手くいかないと、すぐに新しいものに手を出してしまうのですね。それも短期間で、「これは上手くいかない」と見限ってしまうのです。

もちろん社長自身は社員のためを思って、良かれと考えて様々な社内制度を導入しています。ですが、せっかくの試みも残念ながら社内に根付くことも少なく、なんとなくホームページ上で、「こんな制度があります。社員が働きやすい職場です。」と掲げてはあるものの、実際には社員に活用されていない・・・空回りしています。

社員の側も、これでは有難くはありません。「社長がまた、何か新しいことをやろうとしているようだ。」と冷静に構えています。本当に残念なことです。

思い付きで制度をどんどん導入してしまったため、俯瞰してみると、まるで一体感がありません。会社がどこに向かっているのか、社長が何を大切にしているのか、それが全く伝わらなくなってしまっているのです。

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 一旦全てをリセットして考える。目的は何か、ゴールは何か。
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まるで、その時に必要なスペースを増築することを繰り返した家のようです。その結果、導線も悪く、住みにくくなってしまった。見栄えも良くないという状況とでも言えるでしょうか。

社員もその制度を利用したくても、使えない状況だったりします。「この制度はどうやって申請すれば利用できるのだったかな」なんて調べている時間が取れなければ、「また今度にしよう」などと考えてしまいます。

社員のモチベーションを上げたい
 社内のコミュニケーションを改善したい
 社員が働きがいを感じる職場風土をつくりたい

このような場合、長期的な視点が欠かせません。新しい制度や仕組みを導入する場合は、目的は何か、ゴールは何かが明確でなければならないのです。そして言うまでもありませんが、会社の経営方針や社長の想いを反映したものであるべきなのです。

そのため、新しい制度を導入するにあたっては、すでに社内にある制度も、一旦、見直してみることをお勧めいたします。その上で、より良い制度にアップデートするのもよし、思い切って辞める制度があっても良いのです。

また、上手くいかないからといって、すぐに目移りして新しい制度にすることもお勧めしません。じっくり腰を据えて、育てるということが必要だからです。制度を導入する時よりも、時間をかけて継続していく、まさに育てていく期間の方がより難しく、工夫が必要です。

そして、優秀な社員が離職するのを防ぎたいとお考えならば、目新しさや流行のものをとりあえずやってみるのではなく、その目的にあった仕組みをぜひ導入してください。

当社のコンサルティングでは、「社員の心を育てていく」という観点に力を入れ、自社に最適化した人財育成、組織風土改善の取り組み、仕組みを指導しています。

今週の提言
 産み続けるのではなく、じっくり育てるという視点はあるか。