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専門コラム 第71話:社員の成長をうながす社内コミュニケーションがあるか コラム

ある社長からの相談です。「うちの会社は、コミュニケーションが多いのだが、最近、社員が同じ方向を向いていない、熱く仕事に取り組めていない。さらに悪いことに、その状況に甘んじてしまっている。つまり、なんとなく頑張らなくても良いか、このままでしのいでいこうという、ぬるま湯のような風潮が根付きつつあると感じている」というのです。「このままでは良くないと思っているのだが、どうしたらよいか途方に暮れている」と話されます。

社内のコミュニケーションは言うまでもなく大切です。多い方が良いに決まっています。ですが、量が多ければ良いというわけでもありません。

個人でほぼ完結する業務の場合、コミュニケーションが少ない組織もあります。集中しているのは自分の仕事。興味があるのは、自分が仕事を全うすること、結果を出すことというわけです。ですが、それにも限界があります。つまり、個々人としての能力は発揮できても、チームとしての相乗効果に至らないという点です。

また、このような職場は上手くいっている時は良いのですが、上手くいかなくなった時は、支援や情報が入って来にくいということが起こりえるのです。仕事が個人に属しているため、そして普段からコミュニケーションが少ないからです。困ったとき、頼る仲間がいないという欠点もあります。また、上手くいかなくなっているという悪い情報を共有されるのが遅くなり、結果、対応が後手後手になることもあります。

では、コミュニケーションが多いにも関わらず、チームとして上手く機能していないというのは何故なのでしょうか。それは、コミュニケーションが一方的、一方通行だからです。立場の上のものから下のものへ、指示、命令ばかりだからです。

しかも情報も十分に共有されているとは言えません。上司が「この情報は伝えなくても良いだろう」と判断し共有しないことすらあります。それでは、部下が、会社や上司を信頼し、やる気を持って仕事に邁進することなど、到底無理なのです。

指示して部下が動いたとしても、それは部下の成長にはなりません。逆に指示待ち社員を生みだしてしまうという結果になるのです。部下に「指示さえもらえれば自分は出来る」という誤った認識を創りだしているのは、マネジメントの問題なのです。

考える力より検索する方が早い現代です。指示され、その通りに行動させれば、ますます考えない社員を生みだすことになります。かといって、若手に自由にやらせてみるみるほどの余力はないという事情も理解できます。だとすれば、部下に自ら気づいて動いてもらうことが必要なのです。上司はそのプロセスを支持するという関わり方が求められているのです。

冒頭の会社内で問題なのは、やる気のない社員ではありません。社内コミュニケーションに課題があるのです。

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 部下を理解しようとする姿勢がつくる信頼関係
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社内コミュニケーションに求められているのは、縦横コミュニケーションです。上司と部下の間の縦のコミュニケーションと同僚間での横のコミュニケーションという意味です。

最近は1 on 1ミーティングで、上司と部下が定期的に対話をしているという企業が増えていきつつあります。このミーティングでは、業務の進捗確認だけではなく、部下のキャリア、価値観、メンタルヘルスなど個人的な話も行います。

個人的な話題を共有するには、信頼関係づくりかキモとなります。そのため上司には部下を理解しようとする姿勢が必要です。それには、指示や指導ではなく、部下の話を傾聴する、引き出す、そしてエンパワーするなどの全く異なったスキルが必要なのです。

横のコミュニケーションも大切です。フレックスや裁量労働制の導入、テレワークなど働く時間が異なれば、隣の社員の顔を見る時間すらほとんどないに等しいということもあります。となりの席の同僚が普段、どんな仕事をしているのかわからないということも実際に起きています。

職場にいても孤立化し、しまいには自分の仕事は、誰の何の役にたっているのかがわからないと、やる気がどんどんなくなってしまうことも十分にあり得るのです。そして、孤立化はメンタルヘルスの不調や、離職などを引き起こします。

しかし、仲間を尊重し、サポートし合う、感謝するなどの基本的なことを、当たり前と考えずにしっかり共有することで、意識が変わってきます。

縦と横のコミュニケーションを活性化することが、組織への所属意識を強める、社員の承認欲求を満たす、自己実現の後押しをする、成長を促進するなど、様々な効果をもたらすのです。

今週の提言
   理想の職場づくりに欠かせない、縦横コミュンケーション


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