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専門コラム 第64話: 組織風土づくりプロジェクトを失敗に導く社長の言動 コラム

以前は社員一人ひとりが身近に感じられたのに、しだいに組織が大きくなり、トップの意向もダイレクトに届かなくなったように感じている。

徐々に社員も増え、誰が何の仕事をしているのかわからなくなり、コミュニケーションも取れにくくなっている。

もっと女性に活躍してもらいたいので、管理職を増やそうとしているが、女性社員との考え方の乖離を感じており、なかなか進まない。

業績が好調で会社が成長している時、あるいは女性活躍推進を行うことで会社として次のステージに進もうとしているような時、実は、組織の内側では、様々な問題が芽吹いていることがあります。それをいかに早く察知し、手を打てるかがさらなる成長には必要なのですが、売り上げが伸び利益が増えている好調の波の中にあっては、気づいていても先送りになってしまう場合があります。

実はこのような成長、変化の時期こそ、社員一人ひとりがアクティブメンタルな状態で働き、チーム力を発揮することが重要なのです。

当社では、社員がアクティブメンタルな状態を、
・自信に溢れ、仕事に誇りと喜びを感じている
・自らの感情や行動をコントロールできている
・変化などのストレスに強く挑戦を恐れない
と定義しています。

アクティブメンタルな組織風土を根付かせるために、当社では、社内にプロジェクトチームを作り、社員自らがアクティブメンタル活動について議論し、決定し、実行するということをお勧めしています。チームとして「他人事」ではなく「自分ごと」として関わっていくという手法をお伝えしています。

人事労務や経営企画の担当部署が行うのではなく、あえて様々な部署からメンバーを集め、社内プロジェクトにするのです。このプロジェクトに参加することで、社内人脈が増える、本業とは違った視点で組織を俯瞰できる貴重な経験となるなどの様々なメリットがあり、幹部候補生育成を目的にチームメンバーを選出する企業もあります。

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 社長のたったひとつの言動でプロジェクトが失墜する
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ところがここで、社長のたったひとつの言動が大きな打撃となり、プロジェクトの立ち上げに失敗してしまうことがあります。

どんな社長のどんな言動なのか。それは、社員に任せることが出来ない社長が、プロジェクトチームのアイディアを全否定し、却下してしまうという言動です。

女性が活躍する機会をより創出していきたい企業で、女性社員のプロジェクトチームを作りました。チーム内では、当事者として具体的にどのような活躍の機会を望んでいるのか、そのために何が必要で、会社に何を望むのか。そのような活発な議論を行い、経営陣に提案したのですが、なんと社長の一言でその提案は却下されてしまったのです。

なぜなら、会社としては女性に現場の管理職として能力を発揮してもらいと考えていたのですが、実際に女性社員から出てきた要望は、管理職としてだけではなく、専門職を始め様々なキャリアパスを用意して欲しいという要望だったからです。

実はこのような意見の相違自体は決して失敗ではありません。なぜ、様々なキャリアパスを望んでいるのか、なぜ管理職になりたくないのかと、その理由や背景を、経営陣がプロジェクトチームの間で、じっくりと活発に意見交換をすることで互いの理解を深め、軌道修正しつつプロジェクトを遂行すれば、それは失敗ではなく、むしろ成功といえるでしょう。

社員に任して社員の意見やアイディアを積極的に活かしていくと決めたならば、一方的に否定したり、却下しではならないのです。一方的に却下してしまった時点で、すでにチームメンバーのモチベーションが下がり、不信感が生まれてしまうのです。そうなったら最後、プロジェクトを立て直すことに相当な時間やコストを費やすことになるのです。プロジェクトチームメンバーがアクティブメンタルな状態で取り組めるかどうかが成功のカギなのです。

今週の提言
   組織風土づくりの成功は、社員にどこまで任せられるかで決まる


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