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専門コラム 第60話: カリスマ社長が陥りやすい、働きやすい職場づくりの間違い コラム

20代、30代の若い世代が多く働く職場、または幅広い年齢層が働く職場で今、盛んにおこなわれているのが、「社内イベント」です。

それは年中行事だったり、バーベキュー大会だったり、社員旅行だったりします。働きやすく、チームワークが良い会社。風通しの良い会社という社風を全面に出しています。

あるいは、創業者として熱意や経営哲学を持たれ、大変個性的な物言いや外見でカリスマ社長とも言われている会社の代表が、年に数回、すべての社員との個人面談を実施しているという会社もあります。

社長自身もまだまだ若く、社員とはそれほど年が離れているわけでもありません。そのため、出来るだけ社員との距離を縮めようと個人面談の機会を造っているのです。

個人面談ではなく、社長とのランチミーティングなどを定期的に取り入れている企業もあります。これも同じ理由で、社長とダイレクトなコミュニケーションをすることで、社員に社長の考えや会社の方向性について伝える、逆に社員からは、現場で起きていることを報告する、会社への要望を伝えるという場になっていることが多いようです。

経営者とのダイレクトなコミュニケーションを定期的に行うという考え方には賛同しますが、同時に、せっかくの貴重な場を十分に活かしきれていない企業が多いと大変残念にも感じています。

「いやあ、うちの会社は、明るく、楽しくがモットーだから、いくら社長との面談といっても、堅苦しい話はあまりせずに、どちらかというと雑談をすることで交流を図っている。」などと言われるカリスマ社長もいるくらいです。

それが「わが社の目指す社風です」と、はっきり、きっぱり言い切れるのであれば何も申しませんが、せっかくの社員との対話の場であり、機会なのです。

社員が「働きやすい職場」で終わるのではなく、「働きがいを持てる職場」にするために、この機会を積極的に活用すべきなのです。

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 個々の社員との「対話」の意図は何ですか
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積極的に活用するとは、具体的にどのようなことなのか。

それは、社員個々人の「やる気」を引き出す、持続させるための対話をするということです。といっても、社長が持論を一方的に展開するなどはもっての外。創業したての頃、あるいは社長に就任したての頃は、社長の考えを熱意をもって、継続的に伝え続けるということは効果があるでしょう。

ですが、次のステージに移行しなければなりません。次のステージでは、社長は、社員との信頼関係の構築を第一に、意図的に「対話」を行う必要があるのです。

以前、このコラムでもお伝えしましたが、「やる気」を引き出すためのキーワードは、「成長」と「貢献」です。

・社員の成長を促す
 ・社員の成長を見守る
 ・社員の成長を認める
ということです。そして、次なる「成長」のステージを語り、期待値を語り、目標を設定するということです。

あるいは、その社員が普段、どのように会社に貢献できているのか、出来ていないのか、また期待できるのかをディスカッションする場にするのです。この場合は、会社の事業、業績に対する「貢献」だけではありません。職場環境の改善に対する「貢献」も含まれます。

このような対話には、相手の心を開き、信頼関係を構築するための「いくつかの工夫」が必要です。それを知らずして、今回から新しい対話スタイルに変えたと一方的に押し付けたり、良かれと思ってとった言動が、結果的に、社員を「評価」する場になってしまっては全く意味がありません。

もし自社で、社員との積極的かつ円滑なコミュニケーションを目指しているのならば、一対一の「対話」の場面を有効に活用すべきです。社員の心を開き、信頼関係を構築した上で、戦略的に意図的にこの場を活用すべきなのです。

今週の提言
 社員との対話は、戦略的、意図的に行ってはじめて価値がある


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