専門コラム 第6話:仕事が楽しい!社員が望む真の「働き方改革」とは?
政府が掲げる「働き方改革」。様々な議論と改革が進んでいます。
時短勤務、在宅勤務、残業規制など制度上の仕組みが整ったとしても、経営者
として本来考えるべきなのは、「社員にとって望ましい働き方」というもうひと
つの視点ではないでしょうか。
メンタルヘルス対策も同様です。休職制度、復職支援などの制度があることは
もちろん重要です。ですが、社員一人ひとりが最も望んでいる働き方、職場環
境とは何でしょう。
それは、社員が、仕事が楽しい、仕事を通じて成長できているという実感があ
る、自分の能力が発揮できていると感じる、よい人間関係に恵まれているなど
の「心の豊かさ」につながる働き方改革です。
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仕事が楽しくやりがいがある、と社員が感じる組織がしていること
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仕事が楽しい、成長できるというやりがいも感じる。それは、社員一人ひとり
が自らの仕事の意味や意義をしっかり理解している必要があります。「なぜ、こ
の仕事をするのか。」「自分の仕事は顧客に、社会にどのように必要とされ、役
にたっているのか。」
目の前にある、与えられた仕事だから「やるしかない」という姿勢とは全く異
なります。自分の仕事を通じてどんな貢献ができるのかを正確に理解している
場合、仕事が楽しい、やりがいがあると感じるのです。
ただ、それらの正しい情報が行き届いているかが問題です。つまり、組織とし
て会社のミッションやビジョン、今後の方向性などが正確に、しかもタイムリ
ーに社員と共有されている必要があります。
それらは、数値目標だけで語られるものではありません。また、数字だけで語
るべきものではないのです。例えば、新薬が上市した場合、その「薬を売る」
ではなく、「薬を待ち望んでいる患者さんに届ける」。社員が受け取る印象は全
く異なります。このような真の目標が共通言語として組織の中でしっかりと共
有されていなければならないのです。
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会社を辞めない優秀な社員が日々感じていることとは?
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時間をかけ大切に育てた社員がすぐに辞めていってしまう・・
ちょっと失敗を注意しただけで、自信がなくなったと会社を休むようになる・・
期待しているからこそ、厳しく対応したのに辞めたいと言われた・・・
離職率の高い組織ではよくあることです。一方で、優秀な社員が育ち、しかも
会社を辞めずにますます能力を発揮してくれている。そんな組織もあります。
優秀で、将来を期待している社員が会社を辞めずに貢献してくれれば、いずれ
は幹部候補に。では、そのような社員は日々、何を感じているのでしょうか。
それは、「自分には出来る」「やれば出来るんだ」と思える自己効力感を感じて
いるのです。この自己効力感は育てていくことができます。つまり、社員が自
己効力感を持ち、育てる組織であるということです。
そのような組織には、出来たことを正しく評価するのはもちろん、そうでなか
った時、失敗やミスをした時こそ、その失敗を叱責するのではなく、失敗から
何を学んだのかを共有し、次回に生かすという企業風土があるのです。
そのような組織にあっては、社員は失敗を過度に恐れず、失敗から何かを学ぼ
うとします。そして、その学ぶ姿勢も評価されるのです。ますます「自分には
出来る」「失敗は必ず次に生かす」「自分はこの会社に期待されている」と感じ、
自信をもって仕事に取り組んでいるのです。
このような「心の豊かさ」を感じる働き方改革を進めていくためには、ただ職
場の制度を変える取り組みだけでは実現しません。職場環境を変えるというこ
とは、これまでの情報共有の仕方、マメジメントの仕方を変える必要もあるの
です。
さて、あなたの会社では社員が仕事を楽しんでいますか?
失敗から学ぶという企業風土がありますか?
今週の提言
「働き方改革」は、社員の心を豊かにする職場環境改善でもある