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専門コラム 第5話:なぜ、メンタルヘルス研修で学んだことが根付かないのか コラム

メンタルヘルス研修には主に「セルフケア」研修と「ラインケア」研修があり
ます。セルフケアは一人ひとりの従業員が、ストレスに対する正しい知識を学
び、ストレスを感じた時の対処法について学びます。

一方、ラインケアの方は、管理職を対象とし、部下のメンタルヘルスに早く気
づき、声をかけ、対処する方法について学びます。まさに早期発見、早期治療
のキモとなります。

これらの内容は、経営者をはじめとする経営陣も、一度でも良いので学んでお
くことを強くお勧めします。というのも、精神疾患への誤解などが根強くあり、
正しい情報を知る機会が限られているからです。カウンセリングについても、
当事者にならないと理解されにくいのか、世間の認識にいまだに驚くことがあ
ります。

さて、これらの研修では知識を得てもらうだけではなく、グループワークやデ
ィスカッション、ロールプレイなどを行いながら、「スキル」も習得してもらい
ます。

ですが、最近耳にするのが、「研修をしっかり行っているのだが、どうも社内に
根付いていない。」という経営者や人事責任者の本音と嘆きです。

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メンタルヘルスの知識やスキルが根付かない3つの理由
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その理由は3つ。

まず1つは、職場自体がメンタルヘルスに関してオープンに話せる雰囲気では
ないこと。ネガティブな話題と捉えられている限り、当事者も、そのまわりも
共有できていないということです。何もこれは「自分がうつ病だということを
告白する」といことではなく、「今、どれだけ負荷がかかっていて、どんな体調
なのか」ということを、普段から共有できるかどうか、ということです。

2つ目は、研修でせっかく学んだ知識やスキルを、残念ながら忘れてしまうと
いうことです。有名な「エビングハウスの忘却曲線」によると、学んだことは、
20分後に42%、1時間後に56%、1日たつと、なんと74%が忘れてしまうの
ですから仕方ありません。そのために、忘れないうちに反復する必要があるの
ですね。学んだことを、すぐに実践すれば良いのです。

3つ目は、同じく忘れない方法として、研修で学んだこと、習得したことを、職
場内で目にする、耳にする機会を増やすということです。心の健康について積
極的に気にする、対処するなどの社内イベントを作るなど、メンタルヘルスに
対するイメージの払拭と、同時に楽しみながら理解する、参加するなどの機会
があると良いでしょう。

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学びを実践できる職場環境づくりが必要
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このように、メンタルヘルス研修を実施した後、様々な工夫を重ねていくこと
で、学んだ知識やスキルを生かすことが可能になります。この3つを行うため
に必要なのが、職場全体の環境改善なのです。

メンタルヘルス予防について、オープンに話し合える職場のカルチャーを作る
こと、そして日々、ストレス対処について実践するなど反復可能な仕組みを社
内に構築すること、そしてイベントなどを積極的に活用し、社員が楽しみなが
ら参加できるような仕掛けづくりをすることが必要なのです。

特に社内の仕組みでは、メンタルヘルスの予防を目的とした社内のコミュニケ
ーション、評価、相互支援などの仕組みが重要です。

これらのことを理解していないと、たとえ毎年定期的にメンタルヘルスの研修
を行ったとしても、本当の意味で「予防」に結びつけるのは難しいでしょう。
せっかく研修を取り入れているのならば、その知識とスキルが社員、社内に根
付くような仕組みづくり、仕掛けづくりをぜひ行ってください。

さて、御社ではメンタルヘルス研修導入の成果が表れていますか?

社員が学んだ知識やスキルが実践で生かすことができる職場環境になっていま
すか?

今週の提言
メンタルヘルス研修を生かすには、実践できる職場環境づくり


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