専門コラム できる上司とできない上司の差は?中小企業の人材育成術

英会話の勉強を始めたことがある方ならこんな経験はありませんか?
参考書を買い、アプリを入れて、やる気満々でスタート。でも、3日後には忙しさに追われ、気づけば放置――。
何をすればいいかは分かっているのに、続けられない。実はこの構図、上司の育成や組織風土づくりにもそのまま当てはまるのです。
知っていることと、できることの間には大きな壁がある
英会話でも、単語を覚える・リスニングを練習するなど「やるべきこと」は明確です。
問題は、それを実行し、継続すること。つまり、「知識」を「習慣」に変えるには時間と仕組みが必要なのです。
多くの管理職研修でも同じことが起こります。
1on1の重要性、部下へのフィードバックの仕方、傾聴のスキルなど、やるべきことは理解している。
しかし、現場に戻ると「忙しくて時間が取れない」「他の業務を優先してしまう」といった理由で、いつの間にか実行が後回しになります。
知っているのに、できない・・・この知識と行動のギャップは、個人のやる気や性格ではなく、仕組みで埋めるものです。
行動を促す環境やルールが整っていなければ、どんなに意欲のある社員でも続けられません。
経営者や人事担当者に求められるのは、スキルを教えること以上に、「続けられる環境を設計すること」なのです。
実行できる上司とできない上司の違い
すぐ実践に移せる上司は、もともとコミュニケーションに苦手意識がない人です。
学んだスキルを自然に取り入れられるため、結果が出やすいとも言えます。
しかも成功体験を積みやすいため、さらにモチベーションが上がるという好循環が生まれます。
一方で、対話やフィードバックが苦手な上司は、最初の一歩が重く感じられます。
勇気を出して実践しても、思ったようにうまくいかず、「自分には向いていない」
と諦めてしまうこともあります。
ここでサポート体制がなければ、再チャレンジの機会を失い、自己否定感が強まってしまうのです。
この差は放置すればするほど広がります。
やがて「できる上司」と「できない上司」の二極化が進み、チームの雰囲気や離職率にも影響していくのです。
上司個人の力量の問題にせず、全員が一定の水準で実行できる仕組みを作ること。それが、組織全体の底上げにつながります。
習慣化のコツは「仕組み」と「仲間」
英会話を続けられる人は、スクールに通ったり、オンラインで講師と話す習慣をつくったりしています。
「やる気」ではなく「仕組み」で自分を動かしているのです。
同じように、管理職研修の成果を定着させるには、実行の習慣化を支える仕組みが必要です。
たとえば――
・1on1を「毎週●曜日の午前にやる」とカレンダーに組み込む
・実施後に短い振り返りを共有し、成功体験を見える化する
・同じ立場の管理職同士で励まし合い、続けるモチベーションを保つ
さらに、仕組みの中に「小さな成功を認める文化」を取り入れることも大切です。
初めて1on1を実施できた、部下から笑顔で感謝された。そんな小さな出来事が、次の行動を後押しします。
成果が出るまでには時間がかかりますが、「できたこと」を見える化し、上司同士で共有することで、楽しみながら継続できる空気が生まれるのです。
一人で頑張らせない仕組みこそが、行動を習慣に変える鍵なのです。
できる上司を増やす「続ける仕組み」を社内に
私がこれまでカウンセリングと企業支援を行ってきて感じるのは、「仕組みが人を動かす」ということ。
当社のコンサルティングでは、心理学の知見を活かし、「誰でも同じレベルで継続できる」仕組みづくりをサポートしています。
たとえば、部下との対話が苦手な管理職にも実践しやすいよう、1on1の質問テンプレートや、効果的なフィードバックの言葉選びなど、「行動の型」を整えることから始めます。
これにより、「どう話せばいいかわからない」という不安を減らし、自然に対話ができるようになります。
さらに、社内で上司同士が進捗を共有し合う「振り返りミーティング」を設けることで、
お互いの学びや成功を称え合う文化が生まれます。
それが、組織全体の心理的安全性を高め、「続けることが楽しくなる職場」をつくるのです。
御社でも、学びを成果につなげる「続ける仕組み」を整えてみませんか?研修で終わらせず、行動が習慣になる組織を目指しましょう。
今日の提言
成果を出す会社に必ずある「続ける仕組み」

