専門コラム 1on1で若手社員の本音を引き出すキャリア対話のすすめ

「若手社員が何を考えているのか全くわからない・・・。1on1をやると、毎回前向きな発言が返ってくるのだが、本音で話しているとはどうしても感じられない。」
「日々の1on1では、いわゆる良い子発現が多く、彼らから向き合ってもらえていないと感じる。」
このようなご相談を最近よく受けるようになりました。
若手社員が1on1に仕方なくつきあっているように感じるというのです。
若手社員の立場になってみると、目の前にいる上司が、人事権を握り評価をする立場であれば、さすがに素の自分として関わるというのが難しいことは理解できます。
若手社員の「良い子発言」に隠れた本音とは?
ですが、一方で彼らは「良い子」であるだけではありません。会社に対して、「自分がどこの会社に行っても一定の評価を受けられるようなスキルを身につけたい。」と思っているのです。
今の会社、職場は、自分の市場価値をあげるために必要なスキルを与えてくれる場所なのかをシビアに見ているのです。
3年後、5年後、そして10年後の自分はどんなスキルや経験をもって、この会社で働いているだろうか。
その姿が具体的に想像できるだろうか。
できるとしたら、その時の自分はイキイキと働けているだろうか。
そんな視点で先輩や上司を見ているのです。
1on1で信頼を育てる「キャリア対話」のすすめ
普段からキャリアコンサルタントとしてキャリアに関するアドバイスもしている立場としては、早いうちから自らのキャリアについて考えておくのは良いことだと感じています。
そのため、1on1の中でも、ぜひキャリアについて話し合って欲しいのです。
例えば、
Can:出来ていること
Must:求められていること
Will:やってみたいこと
について話をするのです。
CanやMustについては、評価面談でしっかりと話をされていることでしょう。
一方でWillについてはどうでしょうか。
普段、あまり言語化して話をしていないのであれば、今後のキャリアを考える上で、「何がしたいのか」、「そのためには、どんなスキルや経験が必要なのか」を考えてもらうのです。
上司の経験が通じない時代に必要な関わり方
残念なことに、「上司のこれまでのキャリアの積み上げ方」には興味は持たれません。なぜなら、時代も異なれば、価値観も異なるため、「自分とは違う」と思われがちだからです。
だからこそ、若手自身に自らの将来のキャリアについて考え、語ってもらう機会を提供することが重要なのです。
さて、次回の1on1からぜひキャリアに関する話し合いを取り入れてみませんか。