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専門コラム 非常時の怒りやイライラ。社長が知っておくべき心のメカニズム ストレス対策・ハラスメント対策

非常時の不安が、ハラスメントにつながる可能性を知る

156話:非常時の怒りやイライラ。社長が知っておくべき心のメカニズム

 

外出が制限されるなど自由が奪われた中、自宅という限られた空間で、遠慮のない関係でもある家族と長時間過ごすことは、双方にとって、大変なストレスです。

 

また、この状況がいつまで続くのか、これからどうなるのか先が見えない不安の中、ネガティブな感情に飲み込まれてしまいやすくなります。在宅中、ネットはもちろん、新聞やテレビなどあらゆる情報を必要だと大量に取り入れていれば、不安に駆られるのも仕方ありません。

 

本来は、このような情報から少し距離を取ることが心の健康のためには必要なのです。ですが、正しい知識や状況を知ることで不安が解消すると考えてしまうと、もっともっと・・・とのめり込み、自らを不安に駆り立てているのです。

 

不安を受け止められず、その結果・・

そして、その不安を自分で受け止めることができず、不安から目を反らそうとしてやってしまうこと。それが、イライラや怒りを誰かにぶつけてしまうということなのです。

 

誰か特定の人に対する不平や不満を議論することで、同じ考えの人と連帯感を感じることも可能になります。その連帯感が少しの安心、安堵を産み、批判や非難がエスカレートしてしまうこともあります。それで心が少し安定するからです。

 

また、イライラや怒りが直接、暴言や暴力となって、少しでも立場の弱い人に対して極端な形で表出されてしまうこともあります。

 

不安が引き起こすイライラ・怒りに気づく

普段から攻撃的な人は、このような不安状態でより一層不安が増し、攻撃という形で表れてくることがあるということです。つまり、職場において、パワーハラスメントなどが行われてしまう危険性が高まるということです。

 

なぜ、このような「人の心の動き」についてお伝えしているかというと、経営者の方には、ぜひ、このような人の「心のメカニズム」について知っておいて欲しいからです。知っているかどうかで、ハラスメント予防という意識の高まりにも通じますし、日ごろより余計に職場の雰囲気や環境に対して敏感になり早めに対処が出来るからです。

 

もちろん、社長だけがすべきことではありません。担当部署とも連携、情報共有をしつつ、現状と将来を見据えた対応をすべきなのです。

 

感情コントロールが難しくなる

実際、企業のカウンセリング場面では、電話やオンラインなどで、在宅勤務時の不安やイライラに関する相談が増えてきています。在宅勤務を利用し、オンライン会議中にハラスメントにあたるような言動もあるということです。オンラインで相手と二人きりの打ち合わせであれば、対面では言えないこともついつい発してしまうなど、普段であれば理性で抑えられる感情をコントロールできなくなっているのです。

 

自分の不安を、怒りやイライラに変えてしまう、しかもそのイライラの原因が自分から出た感情ではなく、相手が悪いからだ、相手のせいでイライラさせられたと感じてしまい、ハラスメントという形になってあらわれるのです。

 

早めの対処と専門家への相談

イライラや怒りの感情に蓋をすることも危険ですが、誰かを一方的に責める、叱るという間違った方向にいかないよう、今こそ、職場の、普段はなかなか見えない関係性により目を見張ってください。

 

だれでも加害者、そして被害者になるかもしれない可能性があると知って欲し日のです。そして、産業医や心理職などが近くにいれば専門家に相談し、早めに対処することを強くお勧めします。

 

今週の提言
   非常時の不安が、ハラスメントにつながる可能性を知る

 

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