専門コラム 心理的安全性なき職場の崩壊 ハラスメント放置で失う3つのもの

2025年もハラスメント問題は連日ニュースを賑わせています。
今年は有名企業だけではなく、自治体でのハラスメントも大きくクローズアップされました。
いつの時代もハラスメントの問題はインパクトが大きく、「まさかあの会社が」「あんな立場の人が」と驚いた方も多いことでしょう。
しかし本当に恐ろしいのは、まだ表に出ていない隠れたハラスメントが、中小企業を含む多くの組織に潜んでいるという現実です。
ハラスメントは「個人の問題」ではない
「問題社員さえ辞めれば解決する」と考える経営者は少なくありません。
しかし、実際にはハラスメントは組織全体の問題です。
放置や容認を続ける限り、その会社は間違いなく崩壊への道を歩みます。
ハラスメントを放置する組織に共通する3つの特徴
① 「成果最優先」で人を犠牲にする組織
数字や結果を最優先し、「売上さえ上げれば多少の言動は許される」という考え方です。
短期的には成果が出ても、犠牲になった社員は疲弊し、やがて離職。
さらに今の時代はSNSで内部の声が拡散し、企業ブランドが一瞬で失墜するリスクがあります。
② 「心理的安全性」を理解していない組織
相談窓口や規程を整えても、社員が安心して声を上げられる雰囲気がなければ機能しません。
上司が「気にしすぎだ」「そんなことは大した問題じゃない」と言ってしまえば、それだけで相談の道は閉ざされます。
人事に相談しても、うやむやにされてしまえば、社員の不満は水面下で積み上がり続け、やがて爆発します。
③ 「オンライン環境のリスク」を軽視している組織
リモート会議やチャットが増える中、「冗談のつもり」「短く効率的に伝えただけ」の言葉が、受け手には威圧や攻撃として伝わることがあります。
こうしたデジタル環境特有の誤解を放置すれば、気づかぬうちに社員の信頼を失い、退職の引き金になります。
放置の先に待つのは「組織崩壊」
ハラスメントを容認する会社に待っているのは、社員の離職やメンタル不調だけではありません。
社外に漏れれば採用難・取引先からの信用失墜・業績悪化へと直結します。
最終的には、経営そのものが立ち行かなくなる。これは未来の予測ではなく、すでに現実に起きていることです。
誤解してはいけないのは、ハラスメントは研修だけではなかなか防げないということ。
もちろん研修も大切ではありますが、一過性のものになっているのであれば、それは問題です。
真に問われるのは「組織風土」です。
・トップが「容認しない」という姿勢を明確に示すこと
・管理職に正しい対応力を持たせること
・社員が安心して声を上げられる環境をつくること
これらを一体として進めなければ、また同じ問題が繰り返されます。
ハラスメント対策は急を要する経営課題です。
「まだうちの会社は大丈夫」と先送りすれば、そのツケは人材流出と組織崩壊、そして信用失墜となって必ず跳ね返ってきます。
そうなる前に、組織風土を変える一歩を踏み出しませんか。

