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専門コラム コミュニケーション能力の低い管理職を放置するリスク 社内コミュニケーション活性化

組織の病は管理職のコミュニケーション不全から発生する

第112話:コミュニケーション能力の低い管理職を放置するリスク

イキイキ働く社員が育つ人材育成、働きがいのある職場環境や活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社では、コンサルティングを行うにあたり、会社の現状を理解するために、キーパーソンなど何人かの社員へのインタビューを行っています。そのインタビューが、カウンセリングになる場合もあります。

 

というのも、組織の課題を探るはずの場が、当方が傾聴を中心に関わっていくと安心されるのか、「実は・・」と個人の悩みを語られることがあるからです。よくありがちなのが、上司との関係について、そして上司の会社に対する振る舞い方についての疑問や不信感、不満についてです。

 

そのような本音は組織を知る上で大変重要なことなのですが、個人の問題として焦点化せずに、あえて、組織の問題として捉えていきます。つまり、何故このようなコミュニケーション不全が起きてしまっているのか、管理職がなぜこのような不適切な言動をしてしまっているのか、その背景に、その会社に根付く組織風土が影響しているのではないかと探っていくというわけです。

 

一方で、世代間のコミュニケーション不全は、多くの企業でも問題になっています。一方的で高圧的な物言いは、若い世代にとってはハラスメントとして認識されることも多く、「それでは適切な指導が出来ない」と頭を抱えている企業が増えているのです。

 

経営陣は、管理職の中に以下のようなコミュニケーションを行っている社員がいる場合、個人の問題としてだけではなく、組織の課題として改善すべき点があると認識しなければなりません。具体的には以下のようなコミュニケーションです。

 

過去の経験則が判断基準
 話を聴かずに全否定
 異分子として人格否定で処理

 

過去の経験則が判断基準
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仕事を進めていく上で管理職の判断が求められる場合、その判断基準が「うちは昔からこの方法でやっている。」「これまではこの方法でやってうまく行ってきた。」と過去の経験則が判断基準になっている場合です。

 

社内マニュアルなどがあっても、「自分の時はこうだった。」と従わないばかりか、その方法を部下に押し付けようとするという場合もあります。

 

しかも、「なぜそうなのか。」という質問には答えず、反論は受け付けません。納得させられる理由もないからこそ、このような言い方をするわけですが、これではコミュニケーションは成立していません。

 

優秀な若手社員ほど、上司本人はもちろん、このような社員を管理職に登用し、何の対処もしない会社の将来に見切りをつけて去っていくでしょう。

 

話を聴かずに全否定
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部下を従えさせるのが役目とばかり、話を聴かないどころか、全否定する管理職のことです。部下を導くのが本来すべきことであるのに、大きな勘違いです。

 

そのため、話に耳を傾ける、相手のいう通りにやらせるというのは、まるで自分が負けたかのように感じてしまうという未熟さを持っています。

 

このような上司のもとで働く社員は、しかも、1対1の場面でこのようなコミュニケーションが行われている場合は、部下の方がメンタルダウン予備軍になる可能性もあります。そもそも、全否定で尊重されない環境で、仕事にやる気をもって取り掛かることなど不可能です。

 

異分子として人格否定で処理
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自分のやり方に素直に従順に従わず、いつも「なぜなのか」と問いただしたり、または「自分はこう思います」など自分の意見をはっきり述べる部下に対し、管理職として正しくマネジメント出来ないことを棚に上げ、「あいつはおかしい」とばかりに、人格否定までするのは、明らかに管理職の力量不足です。自分と違う価値観や考えを持つ相手を排除するのは、もっとも簡単に切り捨てる方法です。

 

あたかも自分は正しく、相手が理解不能と決めつけるのは、ハラスメントとして認定される場合もあります。

 

まとめ
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否定や拒否というのは、健全なコミュニケーションではありません。それを放置していくと、組織全体へ影響が大きくなっていきます。

 

これから優秀な人材が育ち、定着する会社組織を目指しているならば、健全なコミュニケーションをとれるリーダーや管理職をまずは育成すべきなのです。優秀な若手社員は、上司に絶望するのではありません。それを放置している会社に最も絶望し、会社を去っていくのです。

 

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今週の提言
 組織の病は管理職のコミュニケーション不全から発生する

 

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