専門コラム 理想の職場づくり コロナ共存時代に必須なもの
第160話: 理想の職場づくり コロナ共存時代に必須なもの
いよいよ緊急事態宣言が解除され、1か月半に渡るこれまでの自粛生活から解放されることになりました。といっても、新型コロナウィルス感染の可能性がゼロになったわけではありませんから、これまで以上に慎重な対応を求められることになります。
企業では、引き続き時差出勤やテレワークを続けることも求められています。テレワークを経験した人々の6割以上が、コロナ収束後もテレワークを続けたいと回答したというアンケート結果もあるとのこと。思った以上にテレワークでも成果を出せることを経験したとか、あるいは毎日満員電車で通勤する苦痛から解放されたなど、その理由は様々でしょう。
一度経験したことをなかったことには出来ません。つまり、今後は「これまでの当たり前の働き方」が大きく変化するということです。また「これまでは考えもしなかったこと」や「これまでは無理だと思っていたこと」が、「出来ること」を前提に、どうしたらよいかを考え実践していくフェーズになったとも言えるのです。
さて、大きな価値観や働き方の変化を目の当たりにする状況下において、ニューノーマルという生活様式が求められる状況下において、果たしてどんな職場が「理想の職場」と言えるのでしょうか。あらためて考えてみます。
ますます多様性を許容することが求められる
理想の職場を考える際に、今、気づかなければならない重要な点があります。それは、今後、職場はますます「多様性」を許容することが求められるということです。
これまで多くの社員が同じ時間帯で同じ場所で働いていた「以前の当たり前」がすでにスタンダードではなくなるからです。企業は「社員の働き方の多様性」が受け入れなければならなくなるということです。そのためには社内の制度やルールを変えたり、新しいIT機器を揃えたりと費用も労力もかかります。
社長がこれを「仕方ない」と考えて行うのか、あるいは「新しい時代の幕開け。ニューノーマルにふさわしい働き方を提供して、社員にはますます能力を発揮して勤めてもらおう。そのための努力である。」と考えて取り組むかで、結果は全く異なります。社員に与える影響も変わります。まず、社長自身のマインドをも変えなければならないということです。
頻繁に「見える化」と「共有」を行う
この時期だからこそ、あらためて会社のミッションやビジョンの共有はもちろん、今後のスケジュールなど、頻繁な共有を行うべきです。とはいえ、これまで社内の重要事項について共有する時は、必ず社員を一か所に集めて行っていた場合、その方法を変えることを考える必要があります。
同じことをオンラインで行えば良いのだろうと言えるほど簡単でもありません。オンラインは対面以上に一方通行になりがちだからです。相手の反応がわかりづらいというデメリットもあります。
ですが、このデメリットを知った上で、社員に「考えてもらう」ための質問を投げかけるのです。いくらでも工夫することでこれまで以上のコミュニケーションを図ることが可能になります。
信頼関係がつくられていることが必須
このコラムで以前からお伝えしていることでもありますが、コミュニケーションは上から下だけではなく、横の関係でも重要です。社員同士の頻繁なコミュニケーションがますます必須となるでしょう。そして、その前提として、社員間に信頼関係が構築されていなければなりません。
今後、働き方が多様になり、オンラインが増えていくであろう環境において、社員間に「この仕事をきちんとやってくれているだろうか」と疑心暗鬼に陥ってしまう関係があってはいけないということです。
また、コミュニケーションが「業務上の必要最低限のやりとり」だけになってしまっても、ギスギスした関係になってしまいます。
まとめ
コロナ共存時代の理想の職場に必要なキーワードは「多様性の許容」と「頻繁な共有」、そして「信頼関係」です。社長はそのことをしっかりと理解した上で、コロナ共存時代の理想の職場づくりを行う必要があります。
理想の職場は、社員にとってだけの「理想」ではありません。言うまでもなく、社員が理想と考える職場であれば、その職場に定着します。社員間に信頼関係が出来ていれば、オンラインであっても団結して成果を出すのです。
まさに理想の職場づくりは、中小企業が今後ますます成長・繁栄するために今こそ必要なことなのです。
今週の提言
コロナ共存時代の理想の職場づくりが未来の成長・繁栄をもたらす
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