専門コラム 伸びる会社の社長がやっている 社員がやる気になる組織風土づくり
第101話: 伸びる会社の社長がやっている 社員がやる気になる組織風土づくり
イキイキ働く社員が育ち、働きがいのある職場環境づくり、活気ある組織風土づくりを専門に行っている当社には、日ごろより社員が働きがいややる気をもって仕事が出来るための職場環境づくりに対する意識が高く、様々な知識を持ち、すでになんらかの取り組みを行っているような企業の社長さんからも様々な相談をお受けしております。
人材不足が深刻な今、社員に自社に定着してもらい、やる気をもって働いてもらいたい。そのためにはどうしたらよいのかと真剣に考えている経営者の方はとても多いというのが実感です。
このようなお悩みに対して、解決策としてよくあるのが、1)報酬を上げればよい。そして、2)そもそもモチベーションは上げるものではない、無理に上げたものは、必ず下がるので何か対策をする必要はないというものです。
ですが、そのような考え方をしている限り、それこそやる気を持てない社員が蔓延し、業務上のミスが増える、トラブルが発生。その結果、社員からも顧客からも見放されるという悲惨な事態になる可能性を常に持っているということになります。社員を優遇する前に、まずは儲かる仕組みを作る必要があるとばかりに放っておくと、思いがけない時に大きな損失を被るかもしれません。
弊社で提案している解決策は以下の2つです。
・経済的報酬だけではなく、心理的報酬を活用すること
・社員一人一人ではなく、職場全体で社員のやる気を引き出す風土をつくること
その理由を以下に説明していきます。
経済的報酬だけではなく、心理的報酬を活用する
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もちろん、十分な報酬を与えることは重要です。ですが、経済的な報酬がある一定額に到達すると、それ自体がやる気につながらないと言われています。つまりある時期までは、報酬を与えることがやる気につながるが、報酬だけではない解決策が必要になるということです。
また、やる気があり、評価されている社員は、自分に自信もプライドももっています。その成果をまわりにも認めてもらいたいと考えてもいます。彼らが持つ承認欲求は本人が自覚しているとは限らず、必ずしも「誉めてもらいたい」という態度を出しているとは言えませんが、それでも頑張って実績を出している自分を褒められて嫌な気分になる人はいません。
さらに、いわゆる「感情労働」というのは、看護師やカウンセラー、介護士など、業務の中で感情を揺さぶられることが多く、自らの感情をコントロールしなければならない業種に対して用いられていましたが、今では、すべての業務が感情労働といっても過言ではありません。
接客や営業など人と関わる仕事では、相当な精神的な疲労があるのではないでしょうか。彼らの精神的疲労を和らげるには、認める、労うなどの心理的報酬が重要な心の栄養になり、仕事に取り組む原動力となっているのです。
職場全体で社員のやる気を引き出す風土をつくる
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やる気があり、イキイキと仕事に熱中している社員をよく観察してみると、仕事だけにやる気があるのではなく、生活全般にハリがあり、仕事以外のことにも前向きでポジティブな気持ちになっているものです。
例えば、プライベートで、「結婚した」、「子どもが産まれた」などの良いことがあり気持ちが晴れやかになると、急にやる気を持つことも多いのです。
職場に限定してみても、チーム全体に覇気がなく、どんよりしている雰囲気で一人の社員だけやる気満々ということもほぼあり得ません。そうであったとしても職場では隠れポジティブに徹していることでしょう。
つまり、やる気というのは仕事以外の要因にも、チームや職場全体のムードにも大きく影響されるということです。ということは、一人ひとりの社員に、仕事にだけやる気を上げようとするのには無理がある、職場全体の雰囲気や環境を変える必要があるということです。
あなたが社長ならば、職場の環境づくりに最も大きな影響力を持っているといえます。社長が、いかに職場全体がやる気に満ち溢れている状況を作り出せるのかが成功のカギなのです。そして、やる気がある本人だけではなく、やる気にさせた言動を与えた社員をも、しっかりと評価してください。
今週の提言
職場で「心理的報酬」が飛び交う環境をつくる
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