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専門コラム 第74話:自律型社員を育てる「対話」の本質 コラム

「管理職のモチベーションが下がっているようなんです。というのも、彼らが部下を育てるということが出来ていないのです。日々の業務に追われているというのも事実なんですが。部下にとっては、上司との関係悪化が大変なストレスにもなっているようで、結局のところ、部下のモチベーションも下がってしまっているんですよね。」弊社のセミナーにお越しいただいた経営者の方から伺った話です。

厚生労働省が昨年9月に発表した「平成28年度 労働安全衛生調査」によると、労働者が職場で感じるストレスのトップ3は、以下のようになっています。

・仕事の質・量
 ・仕事の失敗・仕事の責任の発生
 ・対人関係

この対人関係の中で、最も影響が大きいのが上司との関係です。理由は言うまでもなく、上司が圧倒的な権限を持っているからです。そのため、部下が上司を信頼し、安心して話をする、相談をするというコミュニケーションは重要であり、と同時に難しくもあるのです。

これまで5年に渡り、管理職に対して部下育成のマメジメントのひとつとして、部下の話を「傾聴する」という指導を行っていますが、実際、現場では、「いざ実践するのは思ったより難しい」という声ばかりが聞こえてきます。

というのも、「傾聴」することを、ただ単に相槌をしたり、相手の言葉をオウム返しすると簡単に捉えられている方も多いのです。つまりテクニックとしてのみ理解しているということです。

また、職場では業務について上司が「指導する」役割を持っています。つまり、アドバイスや指示を与えるべき場合もあるわけです。それをせずに、部下の話を傾聴し、部下が「気づく」「考える」「実行する」というプロセスを辛抱強く、ともに共有するのは、大変な時間も手間もかかるのです。

しかも、すぐに決断し、結果を出さなければならないという現場においては、関係性を良くするはずの「傾聴」自体が両者にとってストレスともなってしまうという危険性もはらんでいるのです。

このように、部下の話を傾聴するというコミュニケーションは、即効性があるとは言えません。導入し、定着するにも時間がかかります。しかも慣れない当初は、上司も部下もアドバイスをする、アドバイスをもらうという場ではないということを、腹の底から理解するための意識改革も必要です。

それをやり遂げるか、辛抱できるかは、ひとえに経営者の覚悟にあると言っても良いでしょう。

しかしながら、実行しなければしないで、大量のいわゆる「指示待ち社員」をつくってしまうのです。しかも、上司が的確なアドバイスや指示が出来ればよいのですが、例えばこれまでの業界の常識を覆すような、当たり前が当たり前でなくなった時、上司ですら答えを持ち合わせない可能性がある今、組織は変化の波についていくことができず、衰退していくといっても過言ではありません。

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上司自身も「対話」を通じて成長していく
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一方で、1on1ミーティングを始め、部下を育成するコミュニケーションを上手に取り入れている企業もたくさん存在します。

もちろん、試行錯誤の中で諦めなったからこその「今」なのですが、成功のためのポイントもあります。それらを一つずつクリアし、練習し、上手くなっていくのです。

また、上司が部下の話を「傾聴」する中で成長するのは、部下だけではありません。上司側も、苦手な部下、価値観の異なる部下との対話の中で、様々な感情を抱くことになります。自らの「感情」に気づくことで、思考パターンや行動パターンをふりかえるきっかけともなり、上司がこれまでの「殻」を破り、一皮むける、成長できる機会にもなり得るのです。

上司はアドバイスした方が楽なのです。部下もアドバイスをもらい指示された方が楽なのです。それをあえてしない「傾聴」を基本とした対話は受け身どころか、正直とてもキツイのです。だからこそ価値があり、両者を成長させるのです。

弊社のセミナーでは、「傾聴」を基本とした上司と部下の対話を社内に導入するメリットに加え、根付くためのポイントを詳しくお伝えしています。興味、関心のある方はぜひ、セミナーにご参加ください。

今週の提言
「傾聴」を受け身のコミュニケーションと誤解していないか

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