今週の専門コラム 「アクティブメンタル®体制でつくる収益と笑顔」 第48話: 社長が正しく知っておくべき 成功事例から学ぶべきモノ

生産性向上の企業の取り組み、テレワークの導入、女性管理職の積極登用など、様々な職場改善の事例があふれています。特に、経営者自ら、あるいは人事労務の責任者が自社におけるが社内変革の内容やプロセスを、具体例をあげつつ説明したビジネス書なども目に付くようになってきました。

それらの成功事例には、自社が抱える深刻な悩みや課題を赤裸々が表現されており、経営トップとしての苦悩がひしひしと伝わってくるものもあります。その課題解決のために、社内改革に取り組むわけですが、その優先順位は言うまでもなく、どこにどれだけの深刻な悩みを抱えているかによって決まってきます。

そのため、女性社員が多い職場においては女性活躍を課題に、育児介護との両立など「働きやすさ」だったりします。離職率が高く社員が定着しないという課題を持つ企業では、メンター制度の導入により若手を丁寧に指導、育成するというプログラムを率先して行っています。

メンタルヘルス予防の視点では、職場の居場所づくりという名目で、上下関係ではなく、ナナメの関係の立場である先輩社員が若手をサポートするなど、普段からコミュニケーションを積極的にとれるようなしかけを導入するなど工夫を行っています。確かに職場の人間関係の悩みの多くが上司との関係であることを考えると、上司以外に相談できる先輩社員がいることは心強く励みになります。

他にも外国人の積極登用だったり、時短を最重要課題にした業務改善だったりとそのテーマは様々です。実際の取り組みもバラエティに富んだものが多く、どの事例からも学ぶことがたくさんあります。

ところが、多くの経営者がここで失敗をしてしまうのです。それは、その成功事例をそのまま自社で行おうとしてしまうからことです。A社はこの取り組みで成功したらしい、ではうちでも同じようにやってみようと考え、表面上理解したにすぎない取り組み内容だけを安易にマネしてしまうというわけです。

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 成功事例から学ぶものは、「何を」ではなく「なぜ」である
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A社の取り組みをマネして上手くいくでしょうか。全てが上手くいかないとは申しません。ですが、多くの場合は失敗します。また、最初はよくても継続していくことが出来ず、社内に根付くのが難しくなります。

その理由は簡単です。成功事例が「何を行ったのか」という内容のみをマネしているからです。もちろん「何を行うか」はとても重要です。ですが、その前に、A社ではなぜ成功したのかを考えて欲しいのです。

というのもA社には独自の個性があるからです。そもそもA社はどんな業種で、どんな社員が働いていて、男女比や年齢構成、またはどんな社風なのでしょうか。そして成功した要因は何なのでしょうか。成功事例からはそれらを学ぶ必要があるのです。

その上で、自社で実施する場合は、自社に最適化した方法を行うことが重要となります。取り組みの本質を残しつつも、自社にあったやり方に変えてみる。そのような検討、検証を行わずに、表面だけをマネても上手くいかないわけです。

どこから何から手をつけて良いかわからないという時、成功事例から様々な情報を得てやってみることは否定しません。ですが、その時、事例から学ぶのは、なぜその会社で成功したのか、自社でやる場合でも同じように成功するのか、あるいは別の手法があるのかという「本質」なのです。

自社に最適化するためにも手法があり、当社のコンサルティングではその手法もお伝えしております。

今週の提言
「なぜ成功したのか」その本質を学び検証すること