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専門コラム 第29話:激変の時代を生き抜く組織で働く社員がもっているモノ コラム

「大変優秀で真面目な社員なのですが、一度の失敗からなかなか立ち直れないのです。自分に厳しいというか。これまで出来るのが当たり前で、実際に結果を出してきた社員だからこそ、今の自分を否定し、批判し、自分で自分を苦しめているように見えるんです。なんとか、気分を変えて、以前のように前向きに頑張って欲しいのだけれど・・」

自らメディア関連のベンチャー企業を立ち上げた創業社長からの相談です。次世代の幹部候補生としてとても期待していた若手社員が、たった一度の失敗から抜け出せずにもがいているのだとか。もともとはある業務を任されて、リーダーとしてその能力を発揮してきた社員だったそうで、社長の口惜しい気持ちがヒシヒシと伝わってきました。

私たちは誰でも、考え方のクセを持っています。それはこれまで生きてきた環境による要因もあれば、生まれつきの性格の要因もあります。このクセは良いクセや悪いクセと単純に決められるものではありませんが、上記の社員のように、業務に支障をきたしているというのは問題です。といっても、実はこのクセを修正するというのは至難の業なのです。

起きてしまった出来事は同じであっても、それをどう捉えるかは人それぞれ、様々です。個人の自由でもありますが、ここにその人個人の考え方のクセが出てくるのです。

個人が集まった組織にも、考え方のクセというのがあります。クセというより、風土、カルチャーと言うべきでしょうか。変化の波に素早く対応する、それが高く評価される組織もあれば、なるべくまわりを見ながら慎重に行動するなど失敗を最小限に食い止めることが高く評価される組織もあります。

これもまたその組織の個性であり、良い悪いで簡単に語られるものでありません。歴史の長い会社などは、代々引き継がれてきた考え方、価値観などがありますし、それが社会や顧客から評価され、信頼され、愛される理由になっていることもあります。

一方でこれからの時代、働く環境は激変します。これまでのような価値観、考え方では対処しきれないことも予想されます。そんな時代に競争優位に立つためには、社員一人ひとりが変化に柔軟に対応し、さらにチームで互いに支え合い助け合う組織づくりが欠かせないのです。

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組織の風土が、社員一人ひとりの「心の在り様」に影響する
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もうおわかりの通り、これらは価値観だったり、考え方だったりと「心」の問題となります。組織自体の風土は、そこで働く個々の社員の「心の在り様」に大きな影響を与えます。そしてその最も大切なものが、自己効力感と言われるものなのです。

つまり、「やれば出来る」「自分は大丈夫」と自身を信頼し、肯定的にとらえることが出来る力があるかどうか、ということです。これは、小さな成功体験を積み重ねることや、褒められ、認められることで育まれていきます。

しかしながら、職場では「出来て当たり前」と思われ、まわりは言うまでもなく、本人さえも自覚もなく、正当に評価していないことが多々あります。上手くいかなかったことや、出来なかったことだけを共有し、反省するのではなく、上手くいったこと、出来たことを自ら評価する、まわりと共有すること。

言うのは簡単ですが、実践するのは難しいかもしれません。であれば、日々の朝礼や課会のオープニングに取り入れるなど、一日の業務の中で少しずつ初めてみてはいかがでしょうか。

まず、組織全体に的確な「心の在り様」をインストールしなければ、どれだけ素晴らしい職場環境づくりも絵に描いた餅で終わりかねないのです。

御社の組織風土は、社員の自己効力感を育んでいますか。

今週の提言
 社員の「自己効力感」を育む組織風土づくりが成功のカギ


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