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専門コラム 第27話:組織開発・職場活性化で、会社が真っ先に取り組むべきこと コラム

当社のセミナーでは、社員がイキイキ仕事に熱中する職場環境づくりをどのように進めるかについてお伝えしていますが、「では、社員が楽しむ、癒されるようなイベントや、場づくりをすればいいのですよね。」と言われることがあります。まさに表面の事象だけにとらわれ、理解したような錯覚を持たれてしまったという例です。

確かに社員が自ら自発的に動き、やるべき仕事に意義を見出しながらイキイキと働くことで成果を出す組織は、間違いなくコミュニケーションが良い組織です。そのコミュニケーションを改善していく手順の中には、まず、社員間の交流を図ることが重要であり、その手段として、上記のような「社員が楽しむイベント」などの場づくりが、ひとつのきっかけとして必要であることは間違いありません。

ですが、それはあくまでも交流を図るという第一ステップの手段であり、イベントを企画する、実施するだけで、簡単に組織改革ができるはずはないのです。それを、まるでイベントを実施することが目的となってしまい、そのために多大な労力とコストをかけたとしても、残念ながら、残るのは直後の達成感と一時の楽しさだけということがあるのです。

そのため、イベント終了後に振り返った時、「実施したのは良いが、なんのために行ったのか社員にはまるで理解されなかった。」「普段話すことがない社員との交流は図れたかもしれないが、それが日常の業務の中では、ほとんど生かされていない。」などという現実に直面し、「来年はもう大変だし、結果も出なかったのだから辞めてしまおう。」などという、一過性のイベントで終わってしまうことさえあるのです。

社員の方は、「会社の思い付きだったのだ。」「コミュニケーション改善と言いつつ、本気で取り組み気がないのだ。」などと会社への不信感を感じてしまい、以後、計画的に職場環境改善に取り組むことになったとしても、マイナスからの出発となってしまうのです。

また、たとえ、イベントを継続的に行っているとしても、その目的が社員に性格に伝えられ、理解され、共有されていない限り、「交流する」という段階以上のものは生まれず、なんと社内に顔見知りが増える程度で終わってしまうこともあるのです。

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   なんのために行うのか、理想の職場環境がイメージできているか
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このようなことを回避するためには、そもそも論に立ち返る必要があります。つまり、なぜ職場内のコミュニケーションを改善する必要があるのか、なぜ社員間の交流の機会を提供する必要があるのか、経営者、経営陣が明確なイメージを持つということです。

そして、交流を図り、コミュニケーションを活性化することで、本来、業務にどのような変化を望んでいるのか。社内に顔見知りが増え、コミュニティなどが芽生えつつあるのであれば、それを業務上どのように生かしていくべきなのか。例えば、縦割りになっている、あるいは属人化している仕事内容を互いに理解し、助け合う風土を造るためなど、具体的な目標が定まっていなければなりません。

さらに、互いを理解し助け合う風土を作り上げることで、どんな職場環境を作り、会社が何を目指しているのかが明文化されていること。それを社員ひとり一人がきちんと理解していることが最も重要なのです。「活気ある職場、コミュニケーションがとれた助け合うカルチャーづくりで、お客様に最高のサービスを提供します。」など自社にあった具体的な目標が求められているのです。それらは企業理念、ミッションにも大いに関係し、結果として業績にも結び付くのです。

さて、御社の目指すべき方向は明確で、社員と共有されていますか。
働き方改革、健康経営などの言葉に踊らされ、自社に必要な目的を見失っていませんか。

今週の提言
   組織改革成功の秘訣は、自社にふさわしい理想や未来の共有である


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