専門コラム テレワーク時代に社長が知っておくべき人材育成の重要視点
第163話: テレワーク時代に社長が知っておくべき人材育成の重要視点
働き方改革の一環として掲げられてきたテレワークが、この新型コロナウィルスの感染拡大予防に伴い、今後ますます加速していくことは言うまでもありません。
将来、コロナ感染が落ち着いたとしても、テレワークを導入する企業はますます増え、一つの働き方として定着するのは時間の問題ではないかと考えます。
中小企業の場合は、まず「テレワーク」が出来る環境を整えることが早急な課題ではありますが、今後、本格的に到来する「テレワーク時代」にむけて、中期的な課題はどうやって人材を育成するかということではないでしょうか。
その際、多くの社長が間違いやすい点があるのです。
育成の優先順位
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テレワークでは、従来の育成計画が難しくなり、新しい育成方法を実施していかなければなりません。その際、考えるべきは、誰を優先的に育成するのかということです。
真っ先に新入社員や若手社員を育成すべきだと考えがちですが、実は優先順位が異なります。最優先なのは、管理職育成です。
「テレワーク時代」に、新しい育成方法、マネジメント方法を実践していくのが、まさに管理職だからです。
マインドセットの重要性
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さらに、管理職育成において最も重要なのは、マインドセットです。オンラインとリアルの違いをしっかりと理解してもらう必要があるからです。例えば、テレワークの導入に従い、今後、ますます管理職に求められる能力があります。
ひとつはファシリテーション能力です。オンライン会議では、ディスカッションの際に、相手とのあ・うんの呼吸を取るのが難しいものです。数人が同時に参加する会議の場合は、リアルに比べ、「会議を進行する」、「全員を巻き込む」など、議長としてのより高い能力が求められるのです。オンラインでも生産性を高め、成果を出すチームは、管理職がしっかりとワンチームとしてのマネジメントを行っているのです。
もう一つは、これまで何度もお伝えしてきましたが、コミュニケーション能力です。特に、リアルで会うという機会が少なくなり、相手の情報が見えない、少ない中でのコミュニケーションで重要なのは、オーダーメイドする力です。
ひとり一人の能力や状況、そしてストレス下にあった育成、つまりマネジメントが出来るかどうか。
優秀な管理職ほど、これまでの「成功体験」が通用しなくなる時代が来るかもしれないのです。その意味でも、管理職がマインドを変える必要があるのです。社長が育成を考える際には、この「管理職のマインドを変える」ことをまず第一に行うべきなのです。
「型」をつくっているか
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管理職育成を最優先にし、管理職のマインドを変えることから始める。では、具体的にどうやって若手、新人を育成していくのか。
その土台となるのが、当社のコンサルティングでお伝えしている「対話によるマネジメント」です。頻繁に部下との1対1の対話を行う機会をつくり、日々の業務の中で実践していくということです。
さて、対話によるマネジメントを導入するステップでも、多くの社長がやってしまう間違いがあります。
それは、各管理職に任せてしまうということです。もともと部下との間で信頼関係がある、あるいはコミュニケーション能力が高い管理職ばかりとは限りません。対話によるマネジメントが上手くできる管理職と全く出来ない管理職との間で「差」が生まれてしまっては、組織として機能しなくなるでしょう。なので、導入時には、「型」を作ることが重要です。
つまり、自由裁量にさせないということなのです。具体的には、同じ頻度、同じ時間、同じ質問、同じ関わり方と、誰であってもある一定の「対話」が出来るような「型」つまり「仕組み」を作らなければならないのです。
テレワーク時代に向けて、ますます「対話によるマネジメント」が必要になってくるでしょう。そして導入時にまずは「型」を作って、試行錯誤しながら新しい育成方法を自社内で築きあげていくのです。
今始めれば、まだ間に合います。
御社では、テレワーク時代の人材育成戦略を描いていますか。
その戦略は正しい視点で正しい手順で行われていますか。
対話によるマネジメント」に関して、個別に相談したいという方は、こちらからお問い合わせください。オンラインでのご相談も受け付けております。
今週の提言
まずは管理職のマインドセット、次に「型」を作る
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