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専門コラム 第31話:職場改革で最初に行うべきこと。これなくしては頓挫する理由。 コラム

「当社はほとんどが中途採用なんです。そのため、即戦力としては期待できるのですが、どうも彼らは会社に対する執着もなく3年もすると辞められてしまうんですよ。今後はマネジメントの方も任せたいと思っていた優秀な人財もいたで、本当に残念です。」

人事を統括していらっしゃる責任者の方から相談を受けました。「やはり働きがいを感じられないからなんでしょうか。では、実際、何をしたらよいのですか。」と質問が続きます。

現状をよく聞いてみると、せっかく育てた社員が3年もすると辞めてしまう。離職率が高いのは、おそらく長時間労働だと考えている。仕事が出来るようになると、一人の社員の方に多くの仕事が集中してしまっているとのこと。しかも、離職者の多くが同業他社に転職しているのだそう。

何か手を打たないと、優秀な社員が定着しない、それどころか自社の業務に多大な影響が出かねないと懸念を持たれ、この現状をなんとか変えたいという本気度が伝わってきました。

このようなご相談を受けた時、「では、〇〇を始めてみたらどうですか」とは絶対に言いません。なぜなら、現状の課題に対して、何をするか、つまりWhatより大切なものがあるからです。

ところが、このことに気づいていない経営者、幹部の方がとても多いことに驚かされます。一方で、課題が山積みでなんとかこの状況を打破したいと考えれば、出来るだけ早くWhatを知りたいと思い、それをとにかく早く実行したいと思う気持ちも十分に理解できます。

本気で取り組みたいと思っている会社こそ、ここで落ち着いて立ち止まって欲しいのです。というのも、このWhatから始めてしまうと、大きな壁にぶち当たることが多いからなのです。

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    変化に感じる心理的抵抗。社員一人ひとりにメリットを伝える意義
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職場改革において、大きな壁というのは、主に以下のようなことです。
 ・社内の抵抗勢力から反対され改革が進まない
 ・改革の途中で、社内に浸透せず頓挫してしまう
 ・職場に混乱が起き、業績が落ちるなど影響が出てしまう

というのは、「改革」というのはある意味、「変化」であり、人は「変化」にはストレスを感じるので、心理的抵抗が生まれやすいのです。しかも職場改革のような「変化」においては、直接、業務の内容と結び付けて考えられることが少ないため、多くの社員が抵抗を示し、混乱するのです。

そのため、Whatを始める前に、必ずWhyを十分に検討する必要があるのです。なぜ時間とコスト、労力をかけてこの改革をするのか、なぜ今なのか、そして何を目指しているのか、このことが十分に社員に伝わらないまま職場改革を始めてしまうと、多くの場合が頓挫してしまいます。

そして最も大切なことは、この職場改革によって、社員一人ひとりに何がもたらされるのかをトップが自らの言葉で伝えることが必要なのです。

「中途採用者の離職率が高い」ことで個々の社員がどのような悪影響を被っているのか、そして、「定着してもらうための職場改革」によって、社員一人ひとりにどんなメリットがあるのかをしっかり、そして繰り返し伝えること。

さらに大切なのは、将来、どのような職場にしていきたいのか、どんな会社づくりをしたいのか、「将来像」を明確にし、伝えること。

これは、残業制限や、ストレスチェックなども同じです。「働き方改革」の流れだから、義務化されたから行っているという「後ろ向きな取り組み方」ではなく、Whatを導入する前に、必ず「なぜそれを自社で行うのか」というWhy、そしてどんな「会社の将来像」を描いているのかと社員と共有することが重要なのです。

御社では、「働き方改革」「職場改善」で何をやるかの前に、なぜやるのかを十分に議論していますか。それらを社員と共有していますか。

今週の提言
 働き方改革、職場改革で大切なのは、「なぜやるのか」の検討と共有


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